「植物性のミルク」といえば、大豆から作られる「豆乳」がよく知られているが、日本人が主食としている「お米」から、「ライスミルク」を作れることをご存じだろうか。
製法は簡単にいえば、水の中でお米をすり潰して作った飲み物である(その他、米粉を使ったもの、酵素を使って糖化させたものなどもある)。
欧米でかなり前から、牛乳の代替「ミルク」として、ベジタリアンや、牛乳や乳製品、大豆等のアレルギーがある人、健康志向の人などを中心に飲まれていた。日本では2015年以降、「第3のミルク」として注目されるようになった。
ライスミルク3つの効果
ライスミルクが注目されている大きな理由は、その高い栄養素にある。「玄米」から作られたライスミルクは、玄米の持つ栄養パワーがほぼそのまま含まれており、ダイエット効果、便秘解消、リラックス効果などが期待できるのだ。では、「玄米」の主な栄養素にはどのようなものがあるのだろうか。
1つ目がビタミンB群。ビタミンB1、B2、B3(ナイアシン)、B6が白米の2〜5倍含まれている。人間が活動するために必須な三大栄養素が炭水化物、たんぱく質、脂質。これらが体内で分解され、エネルギーとなっていくのだが、その際に重要な役割を果たすのがビタミンB群。つまり、体を元気に保つのに欠かせない栄養素なのだ。また、太りにくい体づくりにも一役買ってくれる栄養素でもある。
2つ目は食物繊維。これは腸内で排出力を強化したり、善玉の腸内細菌を増やしたりする働きがある。そのため腸内環境が整えられ、便秘の解消や美白効果が期待できる。
3つ目。玄米はストレス解消に「効果あり」といわれるGABA(ギャバ)が豊富。これは、アミノ酸の一種で、脳内で神経伝達物質となり、興奮を鎮め、リラックスをもたらすといわれている。
このように、ライスミルクは体も心も元気にしてくれる「第3のミルク」なのである。
血糖値が気になる人は、飲み過ぎに注意!
ただし、ライスミルクの主成分は「炭水化物」。血糖値が気になる人は、飲みすぎには注意が必要だ。
また、ライスミルクは、「牛乳よりも優れものモノ」というわけでは決してなく、たんぱく質やカルシウムなどの含有量は、牛乳には及ばない。牛乳の代替品として飲む場合は、そうした栄養素を別の食品から摂っていく必要がある。
どんな食品も「万能」ということはなく、摂りすぎず、他の食品とバランスよく摂っていくことが大切である。
ところで味はどうか? お米の甘さや香りがギュッと凝縮され、まさに「飲むお米」。麹ベースの甘酒をさっぱりさせた味をイメージしてもらうといいだろう。
自宅でも作ることができる
以前は、ライスミルクを扱っていたのは、輸入食材の店や高級スーパーなどごく一部だったが、最近は、日本のメーカーもライスミルクを製造するところが登場し、一般のスーパー等でも買うことができるようになってきている。
また、ライスミルクは自宅でも簡単に作れる。ウェブで「ライスミルク」と検索すると、さまざまなレシピを見つけることができるが、ここでは、『太らない体をつくる! スーパーミルク健康法』(小学館)で紹介されているレシピを引用させていただこう。
【用意するもの】
ミキサー
炊いた玄米ごはん 50g
水 250ml(ごはんの5倍量)
【作り方】
①炊いた玄米ごはんと水をミキサーに入れる
②2~3分、ミキサーにかける
③グラスに注ぎ、お好みで、砂糖や塩、えごま油などを加える
なお、自宅で作ったライスミルクは、姿こそ違うが、基本的には炊いたごはんと同じ。なので、長期保存はできない。出来上がったら冷蔵庫に入れ、その日のうちに飲むか、料理に使うなどして保存は適さない。
◆参考書籍&ウェブサイト
『太らない体をつくる! スーパーミルク健康法』(小学館)
http://www.amazon.co.jp/dp/4091038603/
「cookpadダイエット」
https://cookpad-diet.jp/healthy_diet/20150130_2912/