冷たい素麺の喉越しは、夏の楽しみのひとつです。茹でた素麺をつゆにくぐらすだけで、格別な夏の一品になります。その歴史は古く、平安時代の法令を記した書物「延喜式」にも七夕に素麺を食べ無病を願う、という記述があったとされています。
天の川で織姫と彦星が、1年に1度の逢瀬を楽しむというロマンティックな中国の伝説にちなんだ行事の七夕は、中国や日本のいくつかの言い伝えなどが重なりあい、現在のスタイルになっていったようです。
素麺は、七夕の行事食としての側面もありつつ、暑さも本格的にはじまる今の時期、私たちの食生活ともマッチした献立です。自家製素麺つゆと万能薬味でいただく素麺は格別です。
自家製素麺つゆと万能薬味の作り方
【材料】
<自家製素麺つゆ>
・出汁:2C
・淡口醤油:大さじ5
・砂糖:大さじ2と1/2
・みりん:大さじ2
・醤油:大さじ1
<万能薬味>
・みょうが:1.5個
・大葉:5枚
・生姜:20g
・三つ葉:2本
・白胡麻:小さじ2
【作り方】
1./鍋に、出汁、淡口醤油、砂糖、みりん、醤油を入れ、混ぜる。
鍋底に砂糖が残っていないか確認する
2./1の鍋を火にかけ、沸かしたのち、火を止める。
3./2の粗熱が取れたら、清潔な容器に入れ、冷蔵庫で冷やしたら<自家製素麺つゆ>の出来上がり。
夏の食卓の必需品、自家製素麺つゆ
4./みょうがは縦に半分に切り、刻む。大葉は葉脈を断ち切るように刻み、サッと流水に通し、余分な水気を切る。生姜は皮をむき、みじん切にする。三つ葉は小口切りにする。
香り豊かな薬味が素麺を引き立てる
5./4に白胡麻を混ぜたら万能薬味の出来上がり。
容器で冷蔵庫保存、食べる直前に出す
万能薬味はごはんに混ぜても美味しい
素麺つゆは、家庭で普段使っている昆布とかつおぶしの出汁で作れます。市販の出汁を使って頂いてもOKです。素麺つゆの味は、そのまま味見をしたときに「ちょっと濃いな」と感じるぐらいがよい塩梅。味見をしたときに飲めるような味では素麺をからめたときに、ぼやけた味になってしまいます。
(文・写真◎奥田ここ)
国内外各地の市場を「師」とあおぎ、様々なスタイルでの和食及びイタリア家庭料理の料理教室を主宰。各種媒体・広告へのレシピ提供や食材産地の取材および食に関する企画・執筆、オーダーメイド仕様の出張料理など、国内外問わず活動中。素材の味を大切に無駄なく使い切る献立作りを心掛けている。
kokookuda (https://www.instagram.com/kokookuda/)