「食品ロス」という言葉をご存じですか? これは、食べられるのに捨てられてしまう食品のこと。
現在、日本においてその量は、年間約640万tに上ります(2012年度・農林水産省推計)。この数字は世界の食糧援助量(320万t/2014年・国連WFP)の2倍。私たち日本人がいかに食料を無駄にしているのかがわかりますよね。
そこで現在、国を挙げて「食品ロス」を減らす活動が活発になってきています。そのひとつが、「規格外」の食品を、私たち消費者が購入できるサービスです。ここ数年、インターネット通販を中心に増えており、人気の商品になっています。
形は不格好でも、味・安全性に問題なし!
「規格外」とは、大きさや形、色、種類、品質などが、流通に乗るための「基準」に合わない食品のことです。
そうした農作物や鮮魚、精肉の多くは、これまで廃棄処分されることが一般的でした。ところが近年、食材宅配の企業などが、「規格外」であることを逆に「売り」にして販売をスタート。売上を着実に伸ばしています。
「規格外」の魅力は、なんといっても「格安さ」です。
同じ商品の通常価格よりも安く設定されており、中には半額というのもあります。もちろん大きすぎたり、小さすぎたり、曲がっていたりはありますが、味も、そして安全性も、一般に流通している食品と変わりませんから、逆に「家計にやさしい食品」として人気が高まっているようです。
また、こうした購入活動が、食品ロスを減らすことに役立っているという「社会貢献」の部分も、魅力のひとつといえます。
「タダ」で手に入るものも!
では、どうすれば「規格外」の食品を購入できるのでしょうか。
たとえば、下記に挙げる食材宅配では、インターネットで簡単に注文することができます。
◆大地宅配「もったいナイシリーズ」
https://takuhai.daichi-m.co.jp/
魚や野菜、米、加工品などを扱っている。通常価格よりも1~5割安い。もともとは、未利用魚や規格外魚を商品化した「もったいナイ魚」からスタート。こちらはこれまでに約110品目を開発している。
◆パルシステム「もったいないプロジェクト」
規格の問題、台風等の災害によるキズ、収穫過剰などで捨てられてしまっていた農作物を、生鮮品や冷凍食品や加工食品などにして商品化し販売している。価格は、通常価格より1~2割安い。
◆オイシックス「アウトレットコーナー」
農作物や魚、肉、加工品などさまざまな商品を、「ふぞろい」「たくとれ(たくさん採れすぎ))「賞味期限間近」といったカテゴリーで販売。価格は通常の1~3割安い。
◆タダヤサイドットコム
このサイトに登録している農家さんから、規格外の野菜をタダでもらえるというサービス。その後は、気に入った農家さんから直接購入することもできる。
◆さかな屋さんドットコム
長崎県の佐世保魚市場に水揚げされた魚のうち、サイズ等の問題で「規格外」とされたものを「もったいない魚」として低価格で販売している。鮮魚のセットや水産加工品がある。
こうした食材宅配のインターネットサイトでは、生産者さんたちに関する記事も充実しています。なので買う側は、食品の「味」だけでなく、それぞれの持つ「ストーリー」も同時に味わうことができます。そのあたりも、人気の秘密なのかもしれませんね。