6~7月、産卵期のマイワシには脂がのり、お刺身で食べると舌で押しつぶせるくらい、トロ味があります。このトロ味を活かして、みそで和えた料理が「なめろう」。元々は、房総半島沿岸の漁師料理だそうです。
今回は、基本の「なめろう」のほか、パクチー使用の「変わりなめろう」もご紹介します。パクチーには、体内に蓄積した有害物質を排出する働きがあり、デトックスやアンチエイジング効果が期待できます。
イワシのほか、アジ、サンマなどで作れますので、それぞれのおいしい時季に作ってみてください。
イワシのなめろうの作り方
「お魚をおろせる」って、ちょっと憧れませんか。なめろうは練習にもってこいです。頭と尾を切り落とし、内臓を洗い、骨と皮を取るまで手作業でできます。身が崩れても、どうせ叩くのですから、ドンマイ! うまく出来たら、骨せんべいも作りましょう。
魚をさばくのが苦手という方は、お刺身を買って以下の工程2から始めてくださいね。
【材料】
・イワシ:3尾(身にして正味170gほど)
・長ネギ:10g
・ショウガ:10g
・大葉:10g
・ミョウガ:5g
・酒:小さじ2
・みそ:小さじ2
・しょうゆ:小さじ1
・ゴマ:お好みで適宜
【作り方】
1./イワシの頭と尾を切り落とし、内臓を洗い、骨と皮を手で取る(骨は、骨せんべいを作ることができるので、できるだけ長い状態で取り出し、捨てずに置いておく)。
ここまで手作業、下手でもドンマイ
2./(刺身で作る方は、ここからの作業になります) イワシを包丁で叩いて粘りを出す。
包丁でよく叩く
3./長ネギ、ショウガ、大葉、ミョウガをみじん切りにする。
4./2のイワシと3の薬味をよく混ぜ合わせる。
5. /酒、しょうゆでみそを溶く。4の具材に加えて、よく混ぜる。
よく混ぜて粘りを出す
6. /皿に盛り、お好みでゴマを振る。
ご飯のお供にも、お酒のアテにも
●パクチー入りの変わりなめろうの作り方
工程3で、パクチー5~10gを加えるだけです。パクチー独特の強いクセが消え、後味に爽やかな香味が残ります。イワシとの相性ばっちり。パクチー嫌いの方もぜひお試しください。パクチーは、スーパーなどでは「コリアンダー」の名称で売られていることもあります。
あと口爽やか
●イワシの骨せんべいの作り方
イワシの骨をサラダ油でカリカリになるまで揚げて、塩を軽く振ります。お子様でも食べられるおやつのでき上がり。もちろん、お酒のおつまみにもイケます。
丸ごとカルシウムのおいしさ
福田恭子/フリーランス・ライター。京都市生まれ。ドイツ・テュービンゲン大学で学ぶ。文化を専門として茶道家元や京都の老舗料理店の広報誌編集長を務め、国内各地や世界50カ国で取材。2021年に発酵ソムリエの資格を取得。