節分(2月3日)に恵方巻(えほうまき)を丸ごとほおばるという行事は、いつ、どこで始まったのかは諸説があって必ずしも明確ではありません。江戸時代に大阪船場の商家で商売繁盛を祈願したという説。大正時代に大阪の花街で芸妓さんらが、酒宴の場で縁起をかついでお客さんらと食べ始めたという説。このほかにもいくつもの説がありますが、巻きずしを食べることが多かった大阪が発祥の地であるというのが有力とされています。ただ恵方巻と呼ばれるようになったのはごく最近のことで、1998(平成10)年セブンイレブンが海苔巻きの販売に際してネーミングしたといわれています。
食べる際には、恵方を向き、1本丸ごと食べ終わるまで一言も発せず、願い事を念じ続けることとされています。
恵方(吉方ともいう)とは何か?
その年の恵方は十干(じっかん)によって決まっています。十干とは、甲(きのえ)、乙(きのと)、丙(ひのえ)、丁(ひのと)、戊(つちのえ)、己(つちのと)、庚(かのえ)、辛(かのと)、壬(みずのえ)、癸(みずのと)のこと。十干は、陰陽五行説に基づいて「木・火・土・金・水」の五行と、陰陽の「兄(え)、弟(と)」を組み合わせて、その年の恵方(吉方)が決められているのです。私たちを守ってくれる歳徳神 (としとくじん)がいる方角を恵方(吉方)といい、その方角に向かって事を行えば、何事も吉とされています。
今年の恵方(吉方)は南南東。ちなみに2017年は北北西、2018年は南南東、2019年は東北東、2020年は西南西です。
簡単!発酵恵方巻をつくろう!
恵方巻は7種の具材を使うのが良いとされていますが、発酵恵方巻は7種の発酵食品を使い、健康も一緒に手に入れようという海苔巻き。作り方は実に簡単。酢飯さえ用意できれば混ぜて並べて巻くだけ。使用する材料は、1/酢、2/みそ、3/本みりん、4/本枯鰹節、5/醤油、6/納豆、7/沢庵の7種。発酵食品の実力者ばかりです。もともとお新香巻きや納豆巻きがあるわけですから食べてもその美味しさに驚くことでしょう! ぜひお試しください!
【材料】(1本分)
のり:1枚
酢飯:大きめのお茶碗1杯
ひきわり納豆:1パック(40g程度)
沢庵:恵方巻の長さ
鰹節:適宜(全体にまんべんなく広げる)
みそ:小さじ1.5
調味料:醤油少々、みりん少々
【作り方】
1./巻き簾にのせたのりの上に酢飯を広げる
2./みそを本みりんで溶き(マヨネーズ程度の柔らかさ)、すし飯の中央にひきのばす
3./醤油をふりかけた本枯鰹節(醤油の量は控え目に)を全体に広げる
4./よく混ぜたひきわり納豆と沢庵を中央に置く
5./海苔巻きを作る手順で、手前から巻いて出来上がり
7種の発酵食品のハーモニー