寒仕込みの味噌作りも、たけなわでしょうか。
京都では、手元の味噌が古くなる前に、魚や肉を西京漬けにします。具材の定番が、魚へんに春と書く「鰆(さわら)」。「サゴシ→ヤナギ→サワラ」と名前を変える出世魚の頂点です。
鰆は入学や進学、卒業、社会人デビューなどの時季の縁起物として喜ばれてきました。栄養的にも、脳を活性化させるDHA、動脈硬化を予防するEPAが豊富に含まれている、すぐれ物です。
なお「西京味噌」の名称は、京都府味噌工業協同組合によって認定を受けたものに限られています。西京味噌が手に入らない場合は、白味噌を使ってください。
鰆(さわら)の西京漬けの作り方
魚を包むには、ガーゼを買わなくても、破れてしまったストッキングを適当な大きさに切って代用できます。味噌のしみこみもよく、かさばらずにポイ捨てできて便利です。食用洗剤で洗ってからご使用くださいね。
焼く際には、焦げやすいので、くれぐれも弱火でじっくり焼いてください。
【材料】
・鰆(さわら):2切れ(1切れ100gほどの物)
・西京味噌(白味噌):200g
・酒:大さじ1
・みりん:大さじ3
・塩:少々
【作り方】
1./鰆に塩を薄く振り、30分ほど置く。
塩は少しでよい
2./味噌、酒、みりんをよく混ぜる。
3./1の鰆の水分をキッチンペーパーで拭き取る。ガーゼかストッキングの生地で包む。
ストッキング生地が便利
4./容器に味噌の半量を入れ、3の鰆を乗せる。残りの味噌を上に置く。
鰆を味噌ではさむ
5./冬場なら涼しい所にひと晩置いて、できあがり。24時間以上置く場合や、気温の高い場合は、冷蔵庫で保管する。
6./焼く前に容器から取り出し、洗わずに、グリルの弱火で焼く。フライパンの場合は、ホイルで包んで弱火で焼く。
焦げやすいので、くれぐれも弱火で。
冷蔵庫で1週間ほど保存できますが、味が味噌辛くなります。漬け込んだ翌日から3日以内をおすすめします。
長く保存させるには、味噌床から取り出して、ストッキング生地に包んだまま保存袋に入れて、冷凍してください。食べる数時間前に、冷蔵庫に移して解凍してから焼くと、おいしくいただけます。
味噌床は、3回ほど繰り返して使えます。味が薄くなるので、漬ける期間を長めにするか、味噌床の材料を足し入れてください。
大根おろしを添えて
福田恭子/フリーランス・ライター。京都市生まれ。ドイツ・テュービンゲン大学で学ぶ。文化を専門として茶道家元や京都の老舗料理店の広報誌編集務め、国内各地や世界50カ国で取材。
発酵手帳2021、大好評発売中!
365日その季節に合った発酵食品のレシピや、小泉先生のコラム、付録には発酵食品をいつ作ったらよいか一目でわかる「発酵カレンダー」、発酵食品を作った際の日時、温度、分量などを記録できて次に役立つ「発酵手仕事」、「味噌特集」など、発酵食品好きにはたまらない「発酵手帳2021」が3年目を迎え、さらにパワーアップして大好評発売中!ぜひお役立てください。Amazonで大好評発売中です!