ドイツに住んでいた秋の深夜のことです。突然、闇をつんざくパンパンパンという3発の発砲音。すわ銃声か強盗か?! 恐る恐る音のした台所に行ってみると、えも言われぬ芳香が……。床がワイン浸しになっていました。数日前に買った新ワイン3本の発酵が進んで、キャップを吹き飛ばしてしまったのです。早く飲み切るべきでした。
発酵を始めたばかりの新ワインはフェダーヴァイサーなどと呼ばれ、とてもフルーティーで香り高く、すばらしい味わいなのですが、どんどん発酵するので、現地でも期間限定でしか売っていません。
そんな新ワインのお供として出されるのがツヴィーベルクーヘン。直訳のタマネギケーキというよりキッシュに近い料理です。
スパークリングワインやコーヒー、紅茶にも合いますので、ちょっとおしゃれにいかがですか。
ツヴィーベルクーヘンの作り方
生地を寝かせている間にフィリング(詰め物)の用意をします。
タマネギを弱火で、根気よく炒めて甘味を引き出すことがコツ。
キャラウェイシードは省いてもかまいませんが、加えるとスパイシーになって本場の味に近づきます。
【材料】
<生地>
・薄力粉:200g
・ドライイースト:小さじ1
・加塩バター:40g
・砂糖:10g
・牛乳:100ml
<フィリング(詰め物)>
・タマネギ:(薄切りにした状態で)500g
・ベーコン:100g
・チーズ:100g
・卵:1個
・サワークリーム:100g
・オリーブ油:小さじ1
・こしょう:適量
・(あれば)キャラウェイシード:適量
【作り方】
1./バターを電子レンジ200Wで2分加熱し、柔らかくする。ボウルに、ふるった薄力粉、砂糖、ドライイースト、バター、牛乳を入れて、一つにまとまるまでよく混ぜる。ボウルにラップをかぶせて放置。
1つになるまで混ぜる
2./タマネギを薄切りにする。フライパンにオリーブ油を入れ、タマネギを弱火で炒める。3の工程の間、時々混ぜて全体に火を通す。
3./ベーコンを1センチ×3センチほどの薄切りにする。チーズも切れていない物の場合、同じくらいの大きさに切っておく。
4./2のタマネギがくたくたになったら、3のベーコンを加えて炒める。最後に、強めの中火にして、焦げないようにしっかり混ぜながら、水分を飛ばす。
焦がさずに甘味を引き出す
5./別のボウルに、とき卵、サワークリーム、チーズ、あればキャラウェイシードを入れる。あら熱がとれた4も入れて混ぜ、こしょうで味を調える。
6./1の生地を、麺棒で伸ばし、バター(分量外)を塗った容器に敷く。底と側面をぴったりに敷き、生地が浮かないように全体にフォークでたくさんの穴を開ける。
穴を開ける
7./6に5のフィリング(詰め物)を入れる。
生地いっぱいまで入れてもOK
8./180度に予熱した電子レンジで40分、加熱する。生地がカリっとして、詰め物の表面に焼き色が付くまで、加熱時間を足す。
焼き時間は調節を
スパークリング白ワインと
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福田恭子/フリーランス・ライター。京都市生まれ。ドイツ・テュービンゲン大学で学ぶ。文化を専門として茶道家元や京都の老舗料理店の広報誌編集長を務め、国内各地や世界50カ国で取材。