冬には冬の食中毒が!
月別に食中毒の発生数を見てると、1位12月、2位1月、3位3月と寒い時期でも油断してはいけないという現実です。暑い季節には誰もが注意する食中毒ですが、実際には約5割は冬期に発生しています。
※「食中毒統計」(厚生労働省)2012〜14年データより作成
食中毒の原因は、細菌やウイルス、寄生虫、化学物質など。夏場にはサルモネラ菌や腸管出血性大腸菌などの細菌による食中毒が多いのに対して、冬場は低温や乾燥した環境に強いウイルス性の食中毒が多く発生します。特に注意をしたいのが、発生数が多いノロウイルス。例年11月から増え、12月をピークに3月まで多発します。
今年大流行の可能性あり!? ノロウイルス
ノロウイルスは、食品や手指を介してウイルスが体内に入ることで感染します。1〜2日の潜伏期のあと嘔吐や下痢、腹痛などの症状が起きるとされ、特に小さなお子さんや高齢者、体の弱っている人には注意が必要です。
怖いのは、ノロウイルスの感染力の強さ。誰かひとりが食中毒になっても人や食器などを介して感染し、学校や病院などで集団感染を起こす可能性があります。
さらに、今年は1月以降新型のノロウイルスが国内や中国などアジア諸国で発生しており、この冬は大流行の可能性もあるとして厚労省などが予防を呼びかけています。
予防のポイントは?
食中毒を防ぐには、まず手洗いから。調理前や食事前、用便後などは必ず石けんと流水で手を洗いましょう。食品の管理も大切です。カキやアサリなどの二枚貝は、ノロウイルスが潜んでいることがあるので、中心部までしっかり加熱しましょう。魚介類を扱った調理器具はほかの調理をする前に洗い、消毒することも忘れずに。
また、嘔吐物や糞便などの汚物を処理するときには、使い捨ての手袋やマスク、エプロンなどを着用し、塩素系の漂白剤(次亜塩素ナトリウム)で消毒、処理を行いましょう。もちろん、その後の手洗いも忘れないで!
[参考 「食中毒統計資料」(厚生労働省)]