おせち料理の代表
1年の計は元旦にあり。
年初めに口にする物は、だしもちゃんと取って、本格的な味付けにしたいものです。おせち料理の代表選手「お煮しめ」を、簡単かつおいしく作れる時短レシピをご紹介します。
本格だしを
時間の余裕のある時に、かつお節パックを袋のまま、揉んで粉末にしておくのが時短のコツです。
かつお節のだしは、すまし汁や銀餡など色がつかないようにしたい時には濾す必要がありますが、煮物のような場合は粉末にして風味を丸ごといただきましょう。テレビを見ながら、お子様も一緒に「ヨーイ・ドン」で一斉にもみもみ。「家族みんなで作った、おせち料理」は、絶対においしいはず!
黒い重箱の中で、色良く見えるように、うす口醤油をおすすめします。
だしを取った後の昆布や、野菜の切りくずは、別の一品に仕立てましょう。
【材料】
・昆布:5g
・かつお節(粉末にしたもの):10g
・干ししいたけ(水に戻したもの):150g
・しいたけの戻し汁:500cc
・砂糖:30g
・みりん:50cc
・うす口醤油:100cc
・塩:ひとつかみ
・お煮しめの具材:適宜
(今回は、高野豆腐、こんにゃく、れんこん、ごぼう、にんじん、きぬさや、里芋を使用)
【作り方】
1./前もって、かつお削り節を粉末にしておく。たくさん作って冷凍保存しておくと煮物に重宝する。
袋のまま揉むほか、フードプロセッサーを用いたり、すり鉢で擂ってもよい。
このくらい細かい粉末に
2./調理の5時間ほど前に、干ししいたけと昆布をかぶるくらいの水につけておく。
3./しいたけが柔らかくなっていたら、軸を切り落とし、傘に飾り包丁を入れる。(切りくずは捨てずに残しておく)。ひだを下にして、昆布と共に弱火にかける。
4./沸騰したら、粉末かつお節、砂糖、みりん、塩、醤油を入れて、昆布としいたけを甘辛く煮る。
しっかり甘辛い味つけにする
5./昆布としいたけを取出し、お煮しめの具材を次々に煮ていく。
順番は、色やアクが出たり汁が粘るものを後回しにする。
今回の場合は、きぬさや→高野豆腐→こんにゃく→れんこん→にんじん→ごぼう→里芋、の順がよい。
煮ている間に、次の具の皮むきなどの準備をすると、時間の無駄がない。切りくずは捨てない。
途中で、水分が足りなくなったら、しいたけの戻し汁やお湯、調味料を適宜、足していく。
6./器に盛る。
7./昆布を細長く切り、結び昆布にし、6のお煮しめの上に散らして置く。
おつまみとしてもおいしい
~~切りくずで作る、野菜コンソメゼリー~~
250ccの水を沸騰させ、野菜の切りくずをゆでる。コンソメ5gを入れて溶かす。ゼリー1袋(250cc用のもの)を入れて煮溶かす。溶けたら、火を止める。粗熱が取れたら、冷蔵庫で冷やし固める。
おせち料理の一品に加えて
~~おせち料理が残ってしまったら~~
1.ちらし寿司
お煮しめのほか、かまぼこやたたきごぼうなども粗みじん切りにする。すし飯に混ぜる。錦糸卵やきゅうり、青葉、刺身、イクラなどで飾る。
おせち料理を食べきる
2.チャーハン
ハムを炒める。火が通ったら、白飯とお煮しめの具も入れて、炒める。塩こしょうで味を調整する。ハムにも塩気があるので、塩は少しでよい。
福田恭子/フリーランス・ライター。京都市生まれ。ドイツ・テュービンゲン大学で学ぶ。文化を専門として茶道家元や京都の老舗料理店の広報誌編集長を務め、国内各地や世界50ヵ国で取材。