関東の「がんもどき」、京都では「飛竜頭(ひろうす)」
関東の「がんもどき」を、関西では「飛竜頭」と書いて「ひりょうず」「ひりゅうず」と言うことが一般的です。が、京都人は「ひろうす」と言います。「飛竜頭」は、ポルトガル語の揚げ物料理「フィリョース」からの当て字だとか。
揚げたてのひろうすは、ほわほわして、幸せ感に包まれます。
うどんの具や、おでんダネにしてもおいしいですよ。
塩麹がおいしさの秘訣
ほわほわのひろうすにする秘訣は、ヤマイモをつなぎにすることと、塩麹を使うこと。
塩麹のプロテアーゼという成分が、豆腐のたんぱく質をアミノ酸に分解して、うま味を出すので、味がぐんと良くなります。また、リパーゼという成分が、脂肪を脂肪酸とグリセリンに分解させるので、しつこい脂っこさが薄れ、食が進みます。
【材料】
・もめん豆腐(水切りしたもの):600g
・ヤマイモ(すりおろしたもの):50g
・玉子:2個
・塩麹:10g(しょうが醤油やポン酢で食べる場合は、6gでOK)
・具:全部で150gほど(豆腐の4分の1程度)
今回は、ニンジン:50g、インゲン:50g、キクラゲ:40g、ギンナン:10gを使用
その他、シイタケなどのキノコ類、レンコンやゴボウなどの根菜、ネギ、枝豆などもおいしい
・小麦粉:適宜
・油:揚げ物のできる程度
具は彩りよく
【作り方】
1./豆腐をしっかり水切りする。網じゃくしに入れて半日置くか、キッチンペーパーで包んだ上に水を入れた器などの重しを置いて1時間置く。急ぐ場合は、キッチンペーパーに包んで電子レンジ500wで3分加熱する。
網じゃくしか、重しで水切り
2./ニンジン、インゲン、キクラゲを荒みじんに切る。
3./ヤマイモをすりおろす。
4./ボウルに、1,2,3,とギンナン、溶き玉子、塩麹を入れ、手で豆腐をつぶしながら、よく混ぜる。
5./16等分し、ハンバーグ型に整える。手に薄く油をつけると、成形しやすい。水分が多くて成形が難しい時には小麦粉を適宜、加える。
6./油を入れた鍋を火にかけ、低めの温度(120~140℃)まで加熱する。
7./5に小麦粉を薄くまぶし、6の油で揚げる。初めは底に沈み、やがて浮いてくるくらいの温度を保ち、浮いたら両面を返しながらキツネ色になるまで揚げる。浮いてくるまでは放っておくこと。途中で触れると崩れやすいので注意。
高温だと中身がハジけて危険
そのまま食べてもおいしいが、お好みで、しょうが醤油やポン酢をつけて、よろしゅうおあがり(京都弁で「どうぞお召し上がり下さい」)。
熱々の味わいは、手作りならでは
福田恭子/フリーランス・ライター。京都市生まれ。ドイツ・テュービンゲン大学で学ぶ。文化を専門として茶道家元や京都の老舗料理店の広報誌編集長を務め、国内各地や世界50カ国で取材。