ビール大国ベルギーの名物料理
夏に飲むビールは最高ですね。
ビール大国ベルギーでは、飲むだけでなく、料理にも使います。なかでも「カルボナード」という名の牛肉のビール煮は、ベルギー料理レストランなら必ずメニューに載っている名物料理です。
今回は、残り物のビールでOK、手に入りやすい食材でアレンジした作り方をご紹介します。しっかり煮込むので、アルコールが苦手な方や子供にも喜ばれるご馳走です。
ビールの力
煮込み料理は、煮込んでいる間に副菜を準備したり、別の仕事ができるので、忙しい時には重宝する料理です。
今回のカルボナードは、弱火で煮込んでいる間に、ビールの炭酸と有機酸の働きで牛肉のたんぱく質がほぐれ、保水性も高まって、肉がとろとろに柔らかくなり、味も浸みます。
伝統的なレシピでは黒ビールと、香辛料が入った甘いパンを使いますが、日本の食材でも大丈夫。ビールの味はあまり残りませんが、銘柄による微妙な甘さや苦みなど、いろいろ試してお楽しみください。
【材料】
・牛肉(カレー・シチュー用):500g
・タマネギ(薄切りにしておく):200g
・マッシュルーム(食べやすいように切っておく)(シメジでもよい):200g
・バター:20g
・小麦粉:50g
・ビール:500cc
・ブイヨン:8g
・ワインビネガー(酢でもよい):大さじ1
・黒砂糖:10g
・塩:適宜
・胡椒:適宜
・あればベイリーフ:2~3枚
【作り方】
1./牛肉に塩と胡椒を、軽くもみ込む。
2./厚手の鍋にバター半量(10g)を入れて火にかけ、バターが溶けたら、牛肉を入れて炒める。牛肉に焼き色が付いたら、取り出す。
肉全体に焼き色を付ける
3./その鍋に、残りのバター(10g)を入れ、中火でタマネギを炒める。タマネギが少し透明になった頃合いで、マッシュルームも入れて炒める。
バターの香りが立つ
4./タマネギとマッシュルームに火が通ったら、小麦粉を入れ、弱火にして、よく混ぜる。小麦粉がタマネギとマッシュルームにからみ、粉っぽさがなくなるまで炒める。焦げないように、底からこそげ落とすようにして。
底が焦げないように
5./2の牛肉を戻し入れる。ビール、ブイヨン、ビネガー、黒砂糖、ベイリーフを鍋に入れる。
6./弱火で1時間以上、煮込む。途中で時々、あくを取る。焦げないように、鍋の底からよく混ぜる。
あくを取りつつ煮込む
付け合わせ野菜を添えて
ビールによって味が違いますので、塩・コショウ・砂糖で調節してください。大量に作って冷凍しておくのもおすすめです。食べる前に弱火で温め直すと、さらに柔らかくなります。
福田恭子/フリーランス・ライター。京都市生まれ。ドイツ・テュービンゲン大学で学ぶ。文化を専門として茶道家元や京都の老舗料理店の広報誌編集長を務め、国内各地や世界50カ国で取材。