福岡市に接し、玄界灘に面する豊かな自然環境から近年移住先として注目が高まっている福岡県糸島市。その糸島市で、地元産の小麦を使った地ビールが誕生しました。ヴァイツェン酵母を使ったフルーティーで飲みやすい白ビールは、予想を上回る売れ行きだそうです。関係者は「もっと糸島を知ってもらうきっかけにしたい」と期待をかけています。
5月に発売されたのは「いとしまビール」(330ml、税込み540円)。糸島産の小麦チクゴイズミを原料に使い、糸島産の食材に合うように、軽快な口当たりと飲みやすさを意識して開発したそうです。2ヵ月余りで2000本超を売り上げました。
開発にあたったのは、「糸島ビール制作委員会」。酒販会社の蔵屋(糸島市)、醸造を担当する浜地酒造(福岡市)とJA糸島の3者で今年1月に立ち上げました。
蔵屋の清澤大道さん(36)は東京農大醸造学科の出身。以前から糸島産の農産物でまちおこしができないかと考えていました。地元の小麦を使って地ビールを造ってみてはと思い立ち、計画を進めてきました。
香り高く、苦味を抑えた口当たりのよい風味は、糸島産の様々な食材とも相性が良く、若い女性たちを中心に好評だそうです。ラベルには、夫婦岩で知られる糸島の観光名所、二見ケ浦の夕日をあしらいました。
清澤さんは「糸島への注目が高まっている時期と重なった幸運もありましたが、予想以上の売れ行きに驚いています。糸島の豊かな自然が育んだビールを飲んでもらうことで、農産物や海産物に恵まれた糸島のことをもっと知ってもらえれば。そして糸島へ実際に足を運んでもらえたら嬉しいです」と話しています。
蔵屋とJA糸島の直売所で購入できるほか、市内の飲食店で飲むことができます。地方発送も可能です。問い合わせは蔵屋(092-322-2881)へ。