桜は主役がソメイヨシノから八重桜へと移りつつありますが、東北、北海道ではまだこれからというところもあります。そこで、春の名残りに花の輪にボリュームがある八重桜を使って「桜の花の塩漬け」を作ります。おめでたい席で供する桜茶だけでなく、スイーツなどにも普段使いすると、華やかな見た目と優しい薫りが気持ちを和ませてくれます。
「桜の花の塩漬け」の作り方
生の桜の花には薫りがほとんどありませんが、塩漬けにすることによって薫りの成分「クマリン」が出て、桜独特の優しい薫りを発します。漬ける際には米酢または白梅酢を使い、花びらの発色を良くします。
なお、使用した八重桜は所有者からご提供いただいたものです。
【材料】
・八重桜の花(できれば八分咲きまでの花):適宜
・塩:桜の花の重さの20%
・米酢または白梅酢:適宜
・保存するための塩:適宜
薄ピンクでかわいい八重桜
【作り方】
1./桜の花の付け根にある小さな葉を手でちぎって取り除く。
左は取り除く前、右は取り除いた後
2./ボウルに水を張って1を優しく洗い、ザルにあげて水をよく切る。
3./チャック付き保存袋に2を入れ、塩をまんべんなく振りいれて袋を優しく振り、塩がいきわたるようにする。
塩をまんべんなくいきわたらせる
4./保存袋の空気を抜き、軽い重石(缶ビールなどでよい)をして3日程度常温で置いておく。
5./3日程度経つと水が上がってくるので、取り出して軽く握って水を絞り、再び袋に戻して米酢または白梅酢をひたひたに入れる。空気を抜いてふたたび軽い重石をして1週間程度置く。
6./袋の中の酢がピンクになり、花の発色が良くなって芳香がしてきたら漬け上がり。
7./6を軽く握って漬け汁を絞る。この漬け汁は桜大根などに使えるので取っておく。
ピンク色で芳香を放つ酢ができる
8./7をほぐしてペーパータオルを敷いた平たいザルなどに広げて半日程度陰干しし、塩をまぶして瓶などに入れて出来上がり。
平ザルに広げて陰干しする
春の名残を閉じ込めた桜の花