唐辛子の醤油麹漬けは、醤油と米麹の旨みに唐辛子のピリ辛の刺激が複雑にからみ合う、いろいろな料理にマッチする万能発酵調味料です。東北地方や北海道を中心に昔から作られてきました。
作り方は簡単で、きざんだ唐辛子と米麹、醤油を混ぜるだけ。分量は同量ずつが目安です。それぞれの材料を一升ずつ漬けたので、「一升漬け」「三升漬け」などの名前もあり、地域によっては「麹南蛮」とも呼ばれます。
赤唐辛子で仕込んでも◎
唐辛子は青唐辛子を使うのが基本ですが、赤唐辛子で仕込んでもおいしくできます。鷹の爪が代表的な品種で、入手しやすい唐辛子で作ればOK。韓国やタイ、南米などの品種を使うのもおすすめです。唐辛子は種類によって辛さもいろいろ。唐辛子の品種を選べるのも、自家製ならではの楽しさです。
時間の経過とともに旨みが増す!
仕込んで約1週間後から使えますが、1ヵ月経つ頃から、旨みが深くなっていきます。1年経つ頃には辛さがまろやかになり、旨みもグンとアップ。
ご飯やうどん、そうめん、焼きそば、豆腐、鍋やみそ汁に添えるほか、肉や魚のソテー、チャーハンや野菜炒めなど、なんにでも合う合う! いつもの料理のアクセントに、唐辛子の醤油麹漬けをどんどん活用してください。
【材料】(作りやすい量)
青唐辛子(または赤唐辛子):50g
米麹:50g
醤油:50g
※唐辛子:麹:醤油=1:1:1
唐辛子、米麹、醤油
【作り方】
1./唐辛子は入手しやすい品種でよいが、複数をブレンドしても楽しい。
2./唐辛子のヘタをとり、フードプロセッサーにかける。種は入れたままでよい。唐辛子を扱うときは、素手で扱うと危険なので、かならずビニール手袋をつけること。
3./きざむ大きさは好みで調節する。フードプロセッサーがない場合は、包丁でみじん切りに。
4./きざんだ唐辛子と米麹、醤油は同量ずつ用意する。
5./容器にきざんだ唐辛子と米麹を入れ、醤油をひたひたになるまで加える。全体をよく混ぜれば仕込み完了。ときどきかき混ぜると早く発酵熟成する。約1週間後から使えるが、時間の経過とともに味がまろやかになる。1年経つ頃が美味。冷蔵庫で保存する。
6./右が仕込みたて。左が仕込みから1年経ったもの。
冷奴などに乗せるほか、ご飯や炒め物、和え物などに!
撮影:信長江美
文・レシピ:オザワエイコ
手作り調味料研究家。編集者。自家製調味料の仕込み教室「かもしラボ」主宰。著書に『だからつくる調味料』(ブロンズ新社)がある。