今、スパークリング日本酒が注目されています。スパークリング日本酒とは、シャンパンのように泡立つ日本酒のこと。独特の飲み口が若い女性を中心に人気となり、「洋食にも合う」「はじめの1杯に」と、広まりつつあるのです。世界一の市販酒を決めるコンテスト『SAKE COMPETITION』では、2017年に発泡清酒部門が新設され、71の発泡清酒が出品されました。
泡立つ日本酒
泡立つ日本酒じたいは、昔からあるものです。しかし、これまで流通していたスパークリング日本酒は主に2種。透明な日本酒にガスを注入することでスパークリングさせるものか、二次発酵による自然なスパークリングで酒が白く濁っているものでした。しかし、乾杯酒にふさわしい味、見た目の色あいを求め、新たなスパークリング日本酒をつくっていこうという動きが始まったのです。それが、「awa酒」です。
乾杯シーンに「awa酒」を
awa酒とは、「透明で一筋の泡が立ち、一定のガス気圧を保持する自然発酵の日本酒」のこと。自然発酵のスパークリング日本酒を世界に広めようと2016年11月に発足した「awa酒協会」により規定されています。awa酒協会は、世界の乾杯シーンで日本のawa酒がシャンパンやスパークリングワインと肩を並べる存在になることを目指して活動。現在、南部美人(岩手県)、永井酒造(群馬県)など全国9つの酒蔵が参加しています。
「瓶内二次発酵、かつ濁らず透明、そしてシャンパンと同じように強い泡立ちの日本酒を造るのは、とても難しいのです」と、「SAKE COMPETITION 2017」の発泡清酒部門第1位「南部美人 あわさけ スパークリング」を出品した、南部美人・代表取締役社長の久慈浩介さんは語ります。米、麹、水のみを材料とする日本酒で、瓶内発酵で強い炭酸を得る難しさ、製造過程にある「火入れ」での加熱など、さまざまな困難があるといいます。
「弊社でも、開発に当たって杜氏はじめ製造スタッフには、かなりの苦労をかけました。ただ、その甲斐あって、『南部美人 あわさけ スパークリング』は、心地よい吟醸香に優しい口当たりよく仕上がりました。スパークリングの爽やかさもありながら、後味にしっかりと米の旨味が残るバランスの良い『awa酒』となりました」(久慈さん)
日本酒に新たな魅力が加わり、“お祝い事にはスパークリング日本酒”、が当たり前になる日は近い!?
【南部美人 あわさけ スパークリング】
原料米:米(国産)、米こうじ(国産米)
仕込み水:折爪馬仙峡伏流水(中硬水)
日本酒度:-20
アルコール度数:12度
おすすめの飲み方:冷