ほっこり味でリピ確実! すぐできる短期熟成「白味噌」

カテゴリー:味噌 投稿日:2017.12.31

すぐできてうれしい! 通常の倍量の麹が味の決め手

味噌というと、冬の寒仕込みで1年分をまとめて仕込み、6〜8ヵ月以上、発酵熟成させるのが一般的です。でも、白味噌は、仕込んですぐに食べられる短期熟成タイプ。夏は2週間、冬は4週間後からおいしく食べられます。

白味噌が、なぜすぐに食べられるようになるかということ、麹をたっぷり使っているから。通常の長期熟成味噌は、大豆と麹の比率は1対1が基本ですが、白味噌は大豆1に対して麹は2倍の量を使います。だから、旨みと甘みが強く、しかも熟成が早いというわけ。仕込んで2~4週間後から食べられますが、そのまま2ヵ月、3ヵ月と発酵熟成させるのもおすすめ。熟成にともなって旨みが増し、色も濃くなっていきます。好みの味になったところで冷蔵庫へ移動させると、長く楽しめます。

 

甘口だけど塩分しっかりめだから、味噌汁にすると激旨!

白味噌というと塩分が少ない甘口が多いのですが、ここで紹介するのは甘すぎない白味噌。塩分を通常の白味噌より多めにしてあるので、カビも出にくく、保存性もアップ。なにより、味噌汁にして飲んだときに、そのおいしさに驚くはず。思わずため息が出る「ほっこり味」の白味噌です。味噌汁の具や、その日の気分によって、普通の味噌とブレンドして「合わせ味噌」として使うのもおすすめです。

短期熟成タイプの味噌は、1年を通じて、いつでも仕込むことができるのもうれしいですね。まずは、少量から自家製にチャレンジしてみてください。

 

【材料】(できあがり約1キロ分)

・大豆(乾燥):250g(加熱後は約2.1倍=525g)

・米麹:500g

・自然塩:120g

※たくさん作る場合は、大豆:麹:塩=1:2:0.4の比率で増やす

 

【作り方】

1./大豆はよく洗い、たっぷりの水に12~24時間つけて戻す。

たっぷりの水でしっかり戻そう

 

2./圧力鍋に新しい水と戻した大豆を入れて加熱。蒸気が上がりはじめたら、軽く蒸気が出るくらいの火力にし、約15~30分加圧して火を止め、15分ほど放置する。

加熱時間は鍋や火力によって変化

 

3./大豆の固さの目安は、指でつまむと簡単につぶれるくらい。圧力鍋がないときは、鍋でやわらかくなるまで3~4時間、煮る。

簡単につぶれる固さが目安

 

4./大豆はザルに上げて水気をきり、ゆで汁をとっておく。

ゆで汁は捨てないこと

 

5./大豆を煮ている間に、麹の準備をする。麹をボウルなどに入れてほぐし、塩を入れ、まんべんなく混ぜ、「塩きり麹」を作る。

麹に塩を入れて混ぜる

 

6./麹に塩をもみこむように、しっかり混ぜていくのが、おいしさのコツ。

両手でこすり合わせるようにする

 

7./加熱した大豆を大きいビニール袋などに入れて、手で押してつぶす。白味噌なので、できるだけなめらかになるようにつぶそう。熱いうちがつぶしやすい。つぶしたら、大豆を人肌(36~38℃)に冷ます。大豆が熱いと麹の酵素が働きにくくなってしまうので注意。

なめらかになるまでつぶす

 

8./7のつぶした大豆に6の塩きり麹を入れ、まんべんなく混ぜ合わせて味噌ダネを作る。

大豆に塩切り麹を入れる

 

まんべんなく混ぜる

 

9./味噌ダネが固いときは、とっておいたゆで汁を加えて固さを調節。ボール状に丸めたときにまとまりやすく、手につかないくらいの固さが目安。固すぎると発酵しにくく、ゆるすぎるとカビが生えやすくなるので注意。これで味噌ダネが完成。

ゆで汁で固さを調節

 

10./清潔な容器に味噌ダネを入れていく。味噌ダネを小分けして、空気を抜くように容器にみっちり詰めていく。全部詰めたら表面を平らにならす。

空気が入らないように詰める

 

11./容器の内側についた汚れなどは、アルコールを浸したキッチンペーパーなどで拭いて、きれいにしておく。

容器をきれいにする

 

12./味噌の表面をラップでぴっちり覆う。白味噌は発酵期間が短いので、重石をしなくても大丈夫。

ラップで覆い空気と遮断する

 

13./ホコリが入らないようにフタをして常温に置き、発酵熟成させる。夏は2週間、冬は3〜4週間からおいしく食べられる。そのまま常温で発酵熟成させて、好みの味になったら冷蔵保存して1年くらいで食べ切る。カビが出たら取り除く。夏の気温が高い時期に仕込むと、アルコール臭がすることがある。その場合は冷蔵庫に移動するとよい。

蓋をして常温で発酵させる

 

14./ジッパー付き保存袋に仕込んでもよい。その場合も、空気が入らないようにみっちり詰めること。

空気を抜いて詰める

 

15./できあがり。

冬仕込みで熟成1か月後

 

冬仕込みで熟成3か月後

 

【よりなめらかに仕上げたい場合】

白味噌をなめらかに仕上げたいときは、あらかじめ麹を細かくしておく方法と、できあがった味噌をすり鉢であたり、なめらかにする方法がある。

1./味噌を仕込む前に麹を細かくしておくと、なめらかな仕上がりになる。

包丁で麹を刻む。乾燥麹は戻してから刻む

 

フードプロセッサーで粉砕してもよい

 

2./白味噌が完成したら、すり鉢でなめらかにすり混ぜる。

好みのなめらかさに仕上げる

 

3./できあがり。

熟成後にすり鉢ですった白味噌

 

●カブと焼き油揚げの味噌汁(白味噌を使ったレシピ)

 

【材料】4人分

・カブ:2個

・油揚げ:1枚

・だし汁:600ml

・白味噌:適量

 

【作り方】

1./カブは葉とカブを分ける。カブは皮をむき、6分割にくし型に切り、葉のついている根元は水をかけて泥などをしっかり取り除く。葉は5センチ長さに切る。油揚げはフライパンで軽く焼き目をつけて、短冊切りに。

2./鍋にだし汁とカブを入れて加熱し、カブが柔らかくなったら油揚げと葉の部分を入れてさっと煮て、味噌を溶き入れる。

 

撮影:信長江美

文・レシピ:オザワエイコ

手作り調味料研究家。編集者。自家製調味料の仕込み教室「かもしラボ」主宰。著書に『だからつくる調味料』(ブロンズ新社)がある。

 

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この記事を書いた人

編集部
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