7月23日は「カシスの日」。カシスとはご存知の通りヨーロッパで古くから食されてきた黒い小さな果実。爽やかな酸味とほのかな甘みが特徴です。近年は、おいしさだけでなく、健康効果からも密かに人気が高まっています。その秘密とは−−?
「カシスオレンジ」だけじゃない!
カシスは仏名ですが、英名の「ブラックカラント」や和名の「黒房すぐり」、あるいは「黒すぐり」として覚えている人も多いかもしれません。日本でなじみ深いのは、「カシスオレンジ」などに使われるリキュールとしてでしょうか。しかし、ヨーロッパではジャムやお菓子としてはもちろん、ソースなど料理の材料、あるいは民間薬として利用されてきました。
その“黒さ”はカシスアントシアニン!
黒く艶やかなのがカシスの実の特徴ですが、黒く見えるのは、実は紫色がとても濃いから。この色は抗酸化物質ポリフェノールの1種アントシアニンによるものです。実は、カシスのアントシアニン含有量は非常に高く、同じくアントシアニンが豊富なことで知られるブルーベリーの3〜4倍。さらに、オレンジの2倍ほどのビタミンCのほか、ビタミンAやβカロテンまた、カルシウムやマグネシウムも豊富に含まれているスーパーフードなのです。その強い抗酸化力をはじめ、眼精疲労、筋肉の疲労回復、末梢血流の改善などへの効果があるとされています。
国産カシスもあり!
カシスというと海外産のイメージがありますが、国産カシスもあります。現在、国内1の生産量を誇るのが青森県青森市。1965年代に弘前大学農学部・望月武雄教授がドイツから苗木を取り寄せたことから栽培が始まり、平成25年からは年10tを越える収穫量になりました(平成27年、約11.5t)。
「『あおもりカシス』は、品種改良など人の手を加えていない、カシス本来の味を保っているのが特徴です。眼睛疲労や肩こり、目の下のくまの改善によいことが、一般の消費者の方にも知られるようになり、そういったことからも購入されているようです」(あおもりカシスの会事務局・工藤真奈美さん)
夏季冷涼な青森はカシスの生育に最適
青森のカシスの収穫期は、まさに7月。今年の出来はなかなかのものだといいます。
「春先に雨が少なかったので、花が散ることもなく日照量も十分で、実が多くつきました。カシスは酸味と風味が強いので、そのままだけでなくヨーグルトやアイスクリームに合わせたり、ジャムなど自分で調理して食べている人が多いようです。パンや和菓子などに加工しているメーカーもあります」(工藤さん)
インターネットなどでフレッシュなカシスはもちろん、冷凍カシスやピューレなども購入できるので、ぜひ味わってみましょう。簡単な活用法は、やはりジャム。カシスは酸味も強くペクチンも豊富なので、重量の40〜60%程度の砂糖を加えて煮るだけでOKです。
写真提供:あおもりカシスの会事務局(http://www.aomoricassis.com/)