私たちが日々、口にしている食べ物には、体を「温めるもの」と「冷やすもの」があります。寒さが厳しくなるこの時期、「冷やすもの」ばかりを食べてしまえば、体は冷えていくばかり。毎日の食事に「温めるもの」をできるだけ多くして、寒さに負けない体をつくっていきましょう。
今回は、東洋医学の「五性」の考え方にのっとって、冬におすすめの「温め野菜」をご紹介します。
「熱」と「温」の野菜を食べる
東洋医学では、食べ物が持つ、温めたり冷やしたりする性質のことを「食性」といい、「熱」「温」「平」「涼」「寒」の5つに分類しています(五性)。
このうち、寒い冬に積極的に食べたいのが、「熱」や「温」のもの。具体的には、次の野菜になります。
●「熱」の野菜
ニンニク、唐辛子、しょうが…など
●「温」の野菜
かぼちゃ、かぶ、ニラ、長ねぎ、玉ねぎ、しそ、菜の花、マイタケ、マッシュルーム…など
ただ、東洋医学の知識といわれても、「実際に本当なの?」という意見もあるかもしれませんね。もちろん、いくつかの例外もありますが、最近のさまざまな研究で温める効果が科学的に実証されているものも少なくありません。
たとえば、上に挙げた「温」の野菜たちの多くには、ビタミンC(かぶ、ニラ、長ねぎ、玉ねぎ、しそ、菜の花、)やビタミンE(かぼちゃ)が豊富に含まれています。
そして、この2つは、冷え性に効果があると言われています。それは、血のめぐりをよくしてくれるから。具体的には、ビタミンCの、血管を丈夫したり、血液の材料である鉄分の吸収をよくしたりという働きや、ビタミンEの、血管を広げてくれる働きが血行をスムーズにし、その結果、体を温めていくことができるのです。
スパイスを加えると、温め効果はさらにアップ!
これらの野菜は、どれもスーパーで気軽に買えるものばかり。冬の間は、どれか1つでも2つでもいいから、毎日、摂っていきたいですよね。
さらに、ものすごく冷えを感じるときには、唐辛子やしょうが、ニンニク、カラシ、コショウのいずれかと一緒に調理するのがおすすめです。これらは、五性のうち「熱」に属するため、温め効果をさらに高めることができるからです。
一方、体を冷やすとされているのは下記の食材。冷えが気になる日は、できるだけ控えたほうがいいでしょう。
●「涼」の野菜
セロリ、だいこん、とうがん、なす、アスパラガス、小松案、ほうれん草、レタス、しめじ…など
●「寒」の野菜
きゅうり、ごぼう、トマト、にがうり、レンコン、タケノコ、もやし、みょうが…など
[参考:「薬膳&漢方の食材事典」(阪口珠未、ナツメ社)、「気になる症状別 野菜の食べ方・選び方」(佐藤務・監修/岡本慶子、斉藤広子・編、彩流社)]