小泉武夫センセイの「世界一美味い蟹」

カテゴリー:食情報 投稿日:2016.06.22

本日6月22日は「かにの日」。蟹の消費量が世界一と言われるほどに、日本人は蟹好きだが、蟹と言えば“ムサボリビッチ・カニスキー”のことを思い出さないわけにいかない。いくつもある小泉センセイ(東京農業大学名誉教授・当サイト監修者)の渾名の一つである。

ムサボリビッチ・カニスキー氏、その名の通りこれまでに世界のあらゆるところで蟹を食べてきている。カムチャツカ半島のタラバ、アマゾンの奥地マナウスの泥蟹カランゲージョ、中国浙江省(せっこうしょう)の上海蟹(しゃんはいがに)、メコンの巨大川蟹。もちろん日本でも、釧路の毛蟹、根室の花咲蟹、石垣島のノコギリガザミ、瀬戸内海の渡り蟹、越前三国の越前蟹(ズワイガニ)など、蟹道楽を尽くしてきているのだ。

そのムサボリビッチ・カニスキー氏が、「世界一美味い蟹」と賞するのが、「飴源(あめげん)」の藻屑蟹(もくずがに/別名ツガニ)である。飴源は、佐賀県唐津市にある創業天保9(1838)年の川魚・摘草料理の老舗だ。四季折々の選りすぐりの天然素材を江戸時代から受け継がれてきた技で提供。その味は、「ミシュランガイド福岡・佐賀2014 特別版」に星2つの評価も受けている。

 

佐賀県北西部の脊振山地から唐津湾に流れる玉島川は鮎や白魚などが獲れることでも有名だが、河口付近は藻屑蟹の一大群生地となっている。その藻屑蟹を川から引き入れた水をかけ流しにした生簀(いけす)で育てているのが、飴源の蟹料理に使われる蟹なのだ。ムサボリビッチ・カニスキー氏が、何とか時間を作っては飴源に通うのだが、その味は「大型の雄蟹のむっちりとした肉身は、甘く上品なうま味で充満し、また雌蟹の、赤みがかかった妖しいほどの代しゃ色の卵巣は、クリーミーなコクと濃いうま味が絶妙であった。こうして夢中で貪り、ついつい気づいたら我が輩は六ハイの藻屑蟹をきれいに平らげててしまっていた」というほど(「小泉武夫 食のベストエッセイ集」IDP出版より)。それに、ぶつ切りにした藻屑蟹がゴロゴロと炊きこまれた「藻屑蟹の炊き込みご飯」や濃厚なコクとうま味に満ちた「蟹汁」などもついてくるという。美味そうだ!!

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蟹の炊き込みご飯

 

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コース料理もあり。5700円(税抜き)〜

 

取材協力/飴源

電話:0955-56-6926

住所:佐賀県唐津市浜玉町五反田1058-2

 

 

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編集部
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