「酒醸」(チュウニャン)とは、もち米を米麹により糖化させた、本場中国では料理に欠かせない調味料です。ふくよかでコクのある甘みが特徴ですが、似た味は酒粕でも手軽に作ることができます。エビチリ、チンジャオロースー、酢豚などの隠し味に使うと、家庭料理が本格的な中国料理に変身します。
酒粕チュウニャンの作り方
【材料】
・酒粕:100g
・水:100ml
・黒砂糖:35g
・酢:20ml
※黒砂糖を使うのは、黒砂糖に含まれるポリフェノールに酒粕の匂いをマスキングする働きがあるため
【作り方】
1./鍋に材料全部を入れ、強火で加熱する。
2./沸騰したら火を止め、かたまりをつぶしてなめらかになったら出来上がり。
※出来上がったものはアルコール分が飛び切っていないので、使う際には加熱してアルコールを飛ばしてください。
出来上がった酒粕チュウニャンは黒砂糖のマスキング効果で、酒の匂いがほとんどしない。なめてみると、ほんのり甘酸っぱく、かつコクのある味です。エビチリにはぴったりだと思います。ただし、酸味が不要な料理の場合もあるので、酢は分量より控えてもいいかもしれません。調理の分量としては、エビチリ4人前ぐらいであれば、調味料にチュウニャン大さじ1程度を加えてください。
※参考:本場物の「チュウニャン」の作り方
本場物の「チュウニャン」は以下のレシピです。「酒粕チュウニャン」より時間と手間がかかりますが、さすが本場物はその分本格的な味がします。
【材料】
・もち米:500g
・米麹(乾燥):15g(生麹なら30g程度)
・砂糖:大さじ1
・小麦粉:小さじ2
・純米酒:200ml
【作り方】
1./もち米を1昼夜水に浸しておく。
2./米麹と砂糖、小麦粉、純米酒をボウルに入れて暖かいところに半日~1日置き、発酵させる。
3./もち米をざるにあげて水を切り、芯まで火が通るまで蒸す(30分程度)か、炊飯器でうるち米と同様に炊く。
4./3を40℃ぐらいまで冷ましておく。
5./2と4を密封ガラス瓶などに入れ、よく混ぜ合わせてふたをして発酵させる。この時水分が少ないようなら純米酒をひたひたになるまで加える。
※1日ぐらい置いて米が水分を吸って水分が少なくなったら、新たに純米酒500ml程度を加える。
6./夏場(28℃程度)なら2日、冬場なら4~5日で出来上がるので冷蔵庫へ。
※出来上がりの目安は、米の形が崩れ始めて表面が泡立つ程度。冷蔵庫で1~2ヵ月は保存可能。
(文責・編集部)