たくさんのメニューがテーブルに並んだとき、どのお皿からもまんべんなく食べる、いわゆる「三角食べ」をすることがマナーの基本、と子どものころに教わった人も多いはず。ところが、ダイエット中の人や太らない食べ方を心がけたい人なら、よりおすすめの食べ方があるという。
ポイントは、「食べる順番」にこだわること。いろいろな料理があるなか、食べる順番を意識するだけで、太りにくい食べ方ができるという考え方がある。
たとえば、和食の場合、「前菜→お吸い物→刺身→焼き物→煮物→揚げ物→ご飯」という懐石料理のコースのように食べるといいという。野菜や海藻類といった食物繊維をはじめに食べることで、その後に続く食事に含まれる糖質の吸収を抑えることができ、腸にも負担をかけずに済む。「消化しやすく、栄養を吸収しやすいメニュー」の順に食べるのがコツだ。
洋食の場合も同様に、まずはサラダを食べて野菜の酵素を吸収、次に身体をあたためるスープ、メインディッシュ、主食、といったコース料理をイメージした順番で食べると、消化吸収の効率がいい。
これは栄養管理で最近注目されている“いつ食べるべきか”ということを考慮した「時間栄養学」の“食べる順番”に基づいた考え方である。野菜など食物繊維の多いものを炭水化物よりも先に摂取すると、血糖値の上昇が抑えられる。血糖値が急激に増えるとホルモンの一種であるインスリンがすぐに分泌され、血糖を脂肪に変えてしまい、肥満や糖尿病などの原因になることもある。「食べる順番」を意識することで、血糖値の上昇をコントロールすることができるのだ。
家での食事や、コンビニエンスストアでランチを済ませる場合も、このような太りにくい食べ方を応用して食べる工夫をすることができるだろう。
ちなみに、「食後はどうしても甘いものを食べたくなる」という場合は、デザートタイムに突入する前に、コーヒーや紅茶、緑茶などのあたたかい飲み物を飲んでひと息つくという方法もある。ドリンクを飲んでいる間に、満腹中枢から「お腹いっぱい」のサインが出されれば、デザートを食べなくても自然と満たされるはずだからだ。
食べる順番にこだわるだけでも、ダイエット効果は十分に期待できるのだ。