長野県木曽地方に伝わる「すんき」という漬物をご存知でしょうか。「すんき」はその昔、木曽地方では入手困難な塩を使わず、植物性乳酸発酵だけで作った現代に伝わる漬物です。
木曽地方の伝統野菜である赤カブの茎の元のところに乳酸発酵を活発にする菌がいることがわかっています。
日本中、いろいろな地域で赤カブの生産はされていますが、その菌は木曽地方の赤カブにしかいないというのも不思議です。漬物には赤カブの実はあまり使わず茎の元から上の葉を漬ける漬物として伝わっています。カブの実部分はそのまま食べたり加工したりするそうです。
今回の王滝カブラは道の駅で見つけたもので茎も葉もついていませんでした。きっと茎から上部分は「すんき」として漬物にしているのでしょう。売られていたものは鮮やかな紫色のカブであることから栄養たっぷりであることは間違いなしです。鮮やかな紫色を生かすために甘酢漬けにしてみました。
【材料】
・王滝カブラ:1200g(入手困難なため赤カブでも可)
鮮やかな紫色
・塩:40g
・昆布:10g
・酢:150g
・洗双糖:100g(上白糖でも可)
昆布の旨味もプラス
【作り方】
1./王滝カブラを2~3mmのいちょう切りにする。
2./ボウルに王滝カブラを入れて、塩40gを全体に馴染ませてラップをかけて重しをのせる。半日くらいで水が上がってくるのでしばらく放置する。
重しまで水が上がればOK
3./昆布をキッチンばさみ等で細きりにして、酢・洗双糖と一緒に小鍋に入れて火にかける。洗双糖が溶けたら火から下ろして冷ます。
4./保存袋を用意して王滝カブラの水気をよく絞り、ばらして入れる。
5./王滝カブラの上から粗熱の取れた甘酢をかけ入れて、袋の外側から揉み込んで甘酢とカブラを馴染ませる。
6./保存袋の空気をできるだけ抜いて1週間、冷蔵庫で馴染ませる。
時々、袋の向きを変える
7./王滝カブラの皮の色が全体に染まったら召し上がれ。
鮮やかな紫色
奥田佳子/発酵食品ソムリエNo.110。発酵料理愛好家。医療現場で働くうちに食の大切さに気づき、天然酵母を使い家庭でできる美味しいパンの教室を自宅で開催。
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