タラバガニのそっくりさんが?!
タラバガニは、年末年始のちょっと豪華な食卓に並ぶ食材です。でも、実はこのタラバガニにそっくりさんがいることをご存知ですか?居酒屋の突き出しで出たのを「わぁ、タラバガニだ!」と喜んでいませんか?安い!と思って買ったらなんだか…ということはありませんか?もしかしたら、それはタラバガニのそっくりさん、アブラガニかもしれません。上の写真、左がタラバガニ、右がアブラガニです。ぱっと見た限りでは、見分けが付かないと思います。しかし、よく見ると違いがあって、ちゃんと見分けることができるのです。
そこで、知っているとちょっと得する、タラバガニとアブラガニの見分け方をご紹介しましょう。
1:甲羅で見分ける
甲羅付きのカニなら、甲羅のトゲで見分けます。甲羅の中心にあるトゲが6つならタラバガニ、4つならアブラガニです。甲羅が傷んでトゲが折れている、という場合でなければここでわかります。
トゲが6つでタラバガニ
トゲが4つでアブラガニ
2:脚の裏側で見分ける
普通よく見かける、甲羅がなく脚だけが4本ついた状態、いわゆる「肩」という姿で売られている場合は、甲羅で見分けることができません。そういう場合は、脚の裏側、つまりカニをひっくり返した状態で脚を見ます。脚の爪の手前の部分すべてに色が付いていればタラバガニ、まだらまたは白っぽい場合はアブラガニです。ボイルしてあれば赤くなるのでなお一層よくわかります。これなら、甲羅がなくても見分けることができます。
脚の裏側がすべて色付きでタラバガニ
脚の裏側がまだらでアブラガニ
両者の味に違いはあるのか?
タラバガニとアブラガニは、獲れたて茹でたての時であれば、普通の人には味の違いはほとんどわからないと言われています。しかし、漁場の近くでない限り、どんなに早くても獲れてから2〜3日程度経ったものを食べることになります。この条件だとタラバガニは身の持つ甘みが落ちにくいのに対し、アブラガニは急激に甘みが落ちてくるので、味に違いが出てきます。
また、タラバガニよりアブラガニの方が繊維質がきついという人もいます。こうした味の違いと、漁獲高の違いでアブラガニはタラバガニと比べて市場価格が3割程度安くなっています。タラバガニが安い!と思って買ってみたら味が今イチでアブラガニだった、というのはこの価格の違いからくるものです。
普段食べるならアブラガニ、年末年始など奮発したい時はタラバガニ、という賢い買い方をするためにも、しっかりと両者を見分けられるようになるとよいかもしれません。
ちなみに、タラバガニもアブラガニも生物学的な分類上は、カニではなくヤドカリの仲間です。これに対し、毛ガニやズワイガニなどは正真正銘、カニの仲間です。とはいえヤドカリだろうと、おいしければ良いですね。
※写真素材提供:WEB函館・石塚さん