若者の街渋谷のセンター街を抜け、宇田川交番の先に小泉センセイが通い詰める店がある。「奈加野」だ。
奈加野の内観
一歩店に足を踏み入れれば雰囲気ががらりと変わり、落ち着いた大人の“居酒屋”だ。迎えてくれる店主の中野鵬盟(ほうめい)さんの優しい笑顔に、懐かしい場所へ帰ってきたような気分に。
店主の中野鵬盟さん
中野さんと小泉センセイのつきあいは、20年以上になるという。
「先生のために、毎日必ず鰹の半身だけは用意しているんです。必ず『鰹ある?』と聞かれますから」と、中野さんが笑う。
鰹は高知出身の中野さんが信頼をおいている築地の卸から仕入れる選りすぐり。小泉センセイは鰹の土佐造りと柳がれいでビールを一杯やり、その後は焼酎や日本酒というのが常だとか。
鰹のつみれ鍋の具材
この時季のお気に入りだという、鰯のつみれ鍋を用意してもらった。
香り高い特製のだしを煮立て、鰯を丁寧に叩いたつみれをへらで投入する。新鮮な鰯の団子は、いわゆる“魚のくさみ”がなく、口に入れた瞬間にうまみが口に広がる。鰯の滋味があふれただしは、たっぷりの野菜や豆腐とともにいただく。さすがに小泉センセイをもヤミツキにさせる味!
鯖押し寿司
鍋のあとのシメは奈加野の名物「鯖押し寿司」。厚みのある鯖と昆布、すし飯のバランスが絶妙。「もう、お腹が一杯」などと不届きなことを言う輩も、パクパク食べてしまうおいしさだ。奈加野の知る人ぞ知る人気メニューであり、小泉センセイもお土産にすることもある。
「魚は時季や日によって仕入れが違います。お店にいらしたら、ぜひオススメを聞いてみてください。ランチでは魚2種と海鮮丼をお出ししています」(中野さん)
奈加野の看板
【奈加野(なかの)】
鰯つみれ鍋2200円
鯖押し寿司900円
ランチ海鮮丼900円
住所:東京都渋谷区宇田川町31−3
TEL:03-3464-1787
営業時:11:30〜13:30、16:00~23:30(LO22:30)
定休日:日曜日(12月は不定休)