
この季節、どこからともなく芳香が漂ってきます。その正体は金木犀(きんもくせい)。甘くまったりした芳香は、秋の香りの代表選手です。この金木犀の香りをお酒に移した「桂花陳酒」を作りましょう。「桂花陳酒」は、白ワインに金木犀の花を3年間漬け込んだ中国の酒で、甘味が強く、香り高いのが特徴です。楊貴妃が好んだと言われ、カクテルの「楊貴妃」はこの酒がベースになっています。作り方は簡単。仕込んでしまえば、あとは熟成を待つだけです。芳香を放つ琥珀色の美酒になり、お菓子作りなどにも応用が効きます。
「桂花陳酒」の作り方
金木犀の花は、3~5分咲きの所を直接木から摘み取ります。固まって咲くので、それほど摘み取りには苦労しませんが、排気ガスなどが当たらない所に生えている、きれいな花を使用しましょう。
【材料】
・白ワイン:750cc(1本分)
・金木犀の花:カップ1程度
・氷砂糖:カップ1程度(お好みで調整してください)
秋の芳香の代表選手、金木犀
【作り方】
1./金木犀の花を摘み取る。
花だけを手で摘み取る
2./ザルなどに入れ、水をかけてさっと洗い、ペーパータオルで水を切っておく。洗いすぎると香りが飛んでしまうので注意。
3./ガラス瓶を熱湯消毒し、氷砂糖、金木犀の花、白ワインを入れ、熱湯消毒したスプーンなどで静かにかき混ぜる。
1週間ですでに色が出始めている
4./冷暗所に置き、時々瓶を静かに振って香りを出させる。1ヵ月ぐらい経ったところで花を取り除く。3~6ヵ月ぐらい経つと熟成されてまろやかな味になる。さらに熟成を重ねると芳醇な香りと味になる。
※金木犀の花は、出汁用のパックに入れて浸けておくと、取り除く際に便利です。
芳香を放つ琥珀色の美酒