梅雨の食中毒を防ぐ8つの方法

カテゴリー:食情報 投稿日:2016.06.12

梅雨がやってきました。腐敗菌が増殖して、食べ物が傷みやすいこの時季は食中毒が起こりやすい季節でもあります。

冬場はノロウイルスなどの「ウイルス」が原因の食中毒が多く発生するのに対し、夏場はサルモネラ、カンピロバクター、黄色ブドウ球菌などの「細菌」が原因となります。

日本の夏(6月〜9月)は湿気が多く気温も上がり、「細菌」繁殖に必要な3条件(「温度」「水分」「栄養」)が揃う好条件となりますから注意が必要です。

 

【細菌性食中毒の分類】

[サルモネラ菌]

・原因食品:動物性の肉、卵、乳(特に鶏卵)。

・症状:下痢、腹痛、発熱、嘔吐などの急性胃腸炎を起こす。

・予防方法:75℃で1分以上加熱。調理器具や手指はよく洗う。

 

[カンピロバクター]

・原因食品:動物性の肉(特に鶏肉)、たたき、湯引き、汚染された飲料水。

・症状:下痢、腹痛、発熱、嘔吐など。

・予防方法:乾燥や加熱には極めて弱いので、肉類は75℃で1分以上加熱。調理器具や手指はよく洗う。

 

[腸炎ビブリオ]

・原因食品:魚介類(刺身)やその加工品。

・症状:嘔吐、腹痛、下痢、血便など。

・予防方法:塩分好きの菌なので真水の流水でよく洗う。60℃で10分以上加熱。10℃以下で保存。調理器具や手指はよく洗う。

 

[黄色ブドウ球菌]

・原因食品:手作りのおにぎり、サンドイッチ、弁当、和菓子など。

・症状:嘔吐、腹痛、下痢など。

・予防方法:人の手指の化膿が原因となるため、マスク、手袋の着用。10℃以下で保存。加熱しても死滅しないこともあるため早めに喫食するか、冷蔵する。

 

[ボツリヌス菌]

・原因食品:ハム・ソーセージなどの肉加工品、缶・瓶詰・レトルトパウチ食品(日本では1980年代にいずし、辛子蓮根、2012年にあずきばっとうを食べてボツリヌス症を発症した報告あり)。

・症状:神経症状、下痢、嘔吐、めまい、まぶたの下垂、呼吸困難など。発熱はほとんどない。

・予防方法:80℃で30分以上加熱。3℃以下で保存。1歳未満児には蜂蜜や蜂蜜を使用した食品を控える。

 

[ウェルシュ菌]

・原因食品:カレー、シチューなどの肉系煮込み料理。

・症状:下痢、腹痛、嘔吐、発熱など。

・予防方法:カレーなどは常温で長時間放置せず、急速冷却か冷蔵庫内で保存する。加熱しても死滅しないこともあるため早めに喫食すること。

 

[腸管出血性大腸菌(O-157)]

・原因食品:牛肉、レバーなどの生食。

・症状:風邪に似た症状。下痢、嘔吐、血便、腎機能低下など。

・予防方法:食肉は中心部前75℃で1分以上加熱。生肉、生レバーなどは控える。調理器具や手指はよく洗う。

 

[セレウス菌]

・原因食品:炭水化物食品(チャーハン、パスタなど)、タンパク質食品(肉、魚、乳製品、卵)。

・症状:嘔吐(炭水化物食品が原因の場合)、下痢(タンパク質食品が原因)。

・予防方法:加熱しても死滅しないこともあるため早めに喫食すること。作り置きは避ける。常温保存しない。

 

食中毒予防の3原則は「つけない」「増やさない」「やっつける」です。

お弁当箱は詰める直前にお酢を一滴垂らしてキッチンペーパーで全体にのばすと殺菌効果がえられます。また、2日目のカレーも美味しいのですがこの時期はすぐに冷蔵、冷凍保存するなどの細菌の特徴に合わせ食中毒予防が必要です。

 

※参考:食品安全委員会(http://www.fsc.go.jp/sonota/shokutyudoku.html)

 

  •                    

\  この記事をSNSでシェアしよう!  /

この記事が気に入ったら
「いいね!」しよう!
小泉武夫 食マガジンの最新情報を毎日お届け

この記事を書いた人

編集部
「丸ごと小泉武夫 食 マガジン」は「食」に特化した情報サイトです。 発酵食を中心とした情報を発信していきます。

あわせて読みたい