緊急ミッション! ご当地どぶろくを探せ!!

カテゴリー:酒
投稿日:2015.12.30

年末年始に帰郷や旅行で地方を訪ねる人が多いだろう。“小泉マガジン”読者なら、「どぶろく」を探してみてはどうか⁉︎

 

どぶろくを探したい5つの理由

「どぶろく」と聞いて、「密造⁉︎」か「最近飲んでる人増えたよね」なのかであなたの世代がわかる−−、というのは冗談だが、どぶろくへのイメージは、戦中戦後に「こっそりつくった」噂を聞いた世代と、「自然派のお酒」と考える世代では、イメージが180度違う。

どぶろくは、米の栽培とほぼ同時に飲まれるようになったとされ、お神酒として供せられ、長い間庶民の喜びであった酒だ。近年は「どぶろく特区」により手に入れやすくもなった(もちろん合法‼︎)。

「密造酒」「飲んべえの酒」のイメージで敬遠していてはもったいない。どぶろくには清酒とはまったく異なる、そして探してでも飲みたい5つの大きな魅力があるのだ。

 

1.米の旨みをストレートに味わえる!

そもそもどぶろくとは何か。古くは濁醪(だくろう)とも呼ばれたように、どぶろくの特徴は白い濁りがあることで、米の形が残っているものもある。これは、作り方が米を蒸して水と麹を加えて発酵させるだけと、シンプルなことにある。

清酒の製造過程は大まかに、①蒸した米に麹を仕込む ②発酵して醪(もろみ)になる ③醪を濾す ④火入れ(加熱)して発酵を止める に分かれるが、どぶろくは②の段階で飲むのだ。「醪酒(もろみさけ)」の名もあった。

ちなみに、少し白濁している「濁り酒」も近年人気だが、これは③を粗めの布袋などで行い、澱を残したもの。酒税上では清酒になる。

どぶろくは極めて素朴な酒なのだが、そのぶん原料の米の味が生きている。技術を極め、手をかけ、研ぎ澄まされた味をつくる清酒とは、楽しみ方が違うのだ。 

 

2.自分好みの発酵具合を楽しめる!

どぶろくは、火入れを行わないため発酵が進み続けるのも魅力だ。

 例えば、東京・東中野にある“日本酒通のオアシス”「美酒和膳 ひがし中野しもみや」イチオシの長野県のどぶろく「十二六 甘酸泡楽」は、はじめアルコール度が5%程度で、甘酸っぱい味に程よい発泡感が楽しめるが、日がたつにつれ発酵が進み、アルコール度が強くなり、やがて酸味が際立ってくる。

つまり、ひとつのどぶろくでも時期によって味が変わり、好みで味わい方を選べるのだ。どぶろくによっては発酵で発泡しており、シュワシュワした口当たりになるのも人気だ。(ただし、運搬の利便性を考え、火入れを行い発酵を止めたどぶろくもある)

 

3.滋味豊かな“大人の飲む点滴”

どぶろくの味が豊かなのは、漉していないために炭水化物やアミノ酸、ビタミン・ミネラル類を豊富に含んでいることにある。酒粕が健康や美容にいいとして人気となっているが、それをそのまま残しているのだから当然とも言えよう。

 「小泉武夫先生は、『甘酒は飲む点滴』とおっしゃっていますが、私は『どぶろくは飲む“大人”の点滴』と言っています」と語るのは、前出の「しもみや」店主で東京農業大学醸造学科出身の下宮龍児さんだ。「しもみや」では冬期にしか味わえない特別な酒として、どぶろくも提供。それを楽しみにやって来る人も多い人気メニューになっている。

 

4.各地で幻の味が復活!

近年、「どぶろく」を使った街おこしが盛んだ。かつては家庭や稲作農家で自由に作られていたどぶろくだが、明治時代に酒税が強化されたことから、長い間ほぼ幻の味であった。だが、小泉内閣の構造改革の一つとして、「どぶろく特区」での規制が緩和されたために、どぶろく作りが復活しつつあるのだ。

各地の作り手は、湧水や「コシヒカリ」「ひとめぼれ」「山田錦」などの特産米を使うなど、その土地ならではのどぶろく作りを行っている。そのため、甘めのものから、キレ味のよいもの、フルーティなものなど、個性豊かなどぶろくが生まれている。作り手の規模が小さいために生産量が少なく、その土地でしか味わえないものも。

 

5.どぶろく文化を応援!

どぶろくの歴史は古くても、「どぶろく特区」はまだ新しい制度だ。特区の数も作り手も年々増え続けている。今まさに、各地で独自のどぶろく文化が醸されているのだ。

例えば、米どころ新潟は、「どぶろく王国にいがた」として11のどぶろく特区があり、県全体でどぶろく作りが盛ん。鬼の頭・酒呑童子の伝説の残る京都府福知山市の「酒呑童子の里大江どぶろく特区」、八岐大蛇(やまたのおろち)神話の舞台・島根県雲南市の「日登の郷どぶろく特区」のように、地域の伝説ごと楽しめるどぶろくも。また、秋田県横手市の「発酵に生きる―横手Deux Broque特区」の栗を使ったどぶろくや、福島県『会津若松市「来てみらんしょ、呑んでみらんしょ」どぶろく特区』のどぶろくプリン、宮崎県の「神話・伝説のふるさとツーリズム特区」のどぶろくジェラートのような、変わりダネもある。

自分好みのおいしいどぶろくを見つけて飲めば、それはその地方のどぶろく文化への応援になる。新しい作り手が増え、ますますおいしいどぶろくが生まれるだろう。

 

さあ、こうなってはどぶろくを探さずにはいられないのでは? ヒントは、農家レストランや民宿、道の駅など土産店にあり!

 

\  この記事をSNSでシェアしよう!  /

この記事が気に入ったら
「いいね!」しよう!
小泉武夫 食マガジンの最新情報を毎日お届け

この記事を書いた人

編集部
「丸ごと小泉武夫 食 マガジン」は「食」に特化した情報サイトです。 発酵食を中心とした情報を発信していきます。

あわせて読みたい