厳選したカカオ豆から手作りするチョコレート「Bean to Bar(ビーントゥバー)」の人気が米国や日本で広がっています。「豆(Bean)から板状(Bar)になるまで」という意味の通り、カカオ豆の買い付け、焙煎、製造の全てを手作りで行うチョコレートの製造工程のことです。
生のカカオ豆
西荻窪にある醗酵食専門店「醸カフェ」では様々な発酵ワークショップが行われていますが、今回は「カカオ豆の焙煎から始めるカラダに優しいチョコレートを作り」に行ってきました。予約開始2時間で満席になってしまう人気企画です。
講師は、全国各地でワークショップを行っているカカオ・ラボのたけっち先生こと竹林利朗さん。チョコレート業界の話題や体に良いチョコの選び方などの雑学ネタを交えながら進めてくれるので4時間があっという間に進んでいきます。
カカオ・ラボたけっち先生
1./焙煎
現地で発酵、乾燥までさせて輸入したカカオ豆には、乳酸菌、酢酸菌の他にも雑菌やカビ毒も含まれているのでお米を研ぐようにお湯でよく洗います。
100円ショップで売っている網を二つ組み合わせて作った、通称210式(にーいちまるしき)焙煎機に洗ったカカオ豆を入れてコンロに火をかけます。高価な焙煎機械よりもこれが一番火の回りがよかったそう。
手作りの210式焙煎機
そして、ここが一番の山場! 焦げないように常に網を動かし、皆で交代しながら振り続けること約1時間。
焦がさないように注意
2./殻をむく
焙煎し終わったカカオ豆を広げて冷まします。
ハート型に広げてくれる
冷めたら外側の固い殻を一つひとつむいていきます。地味な作業ですが皆でおしゃべりしながらやると楽しい。
簡単に割れるので優しく
殻をむいたら固いディーツのよう
3./粉砕
殻をむいたカカオ豆をカカオパウダーにしていきます。家庭で米を米粉にする機械(NEWよめっこさん)に投入。固く油脂分の多いカカオ豆はこの機械でないとモーターが負けてしまうそう。
「NEWよめっこさん」で粉砕
カカオパウダーなりました
4./カカオバターとハニーココナッツを入れる
粉になったらカカオバターとハニーココナッツを入れます。
溶かしたカカオバター
ハニーココナッツはココヤシの花蜜を煮詰めたミネラル豊富な低GI無添加甘味料で、味見をしながらどんどん入れていきます。
ビターでもびっくりするくらいの量を入れるので、売られているものはどれだけ砂糖の塊なのか恐ろしくなってきます。
ハニーココナッツ全部入れ
甘い香りがたまらない
5./コンチング
ボウルに移し、粗い粒子のカカオ豆を湯煎しながらヘラですり潰し、舌触りを滑らかにしていきます。灰汁も出てくるので取り去っておきます。
10分くらい根気よく
6./テンパリング
チョコレートの温度を変化させ粒子構造を変えていくことにより口どけやツヤをよくしていきます。
ピカピカ光ってきました
7./形成
型に入れてから冷やして固めます(45分間)。
ナッツなどでデコレーション
固まるのを待ってる間は、日本焙煎技術普及協会理事でもある竹林さんが、美味しいコーヒーを入れてくれます。
コーヒーが苦手な人でも飲みやすい、雑味エグミを残さない方法で入れたコーヒーと、竹林奥様が作ってくれたミルクチョコレートやポン菓子チョコを試食しながらコーヒータイム。
秘伝レシピも教えてくれます
8./出来上がり
このチョコレートは、とにかくビターチョコよりも苦味はなくカカオの味が濃厚で美味しい! 自作の物はお持ち帰りできます。
完成です!
舌に後味が残る感じも一切なく、一粒で満足度も十分な程です。しかもこのチョコレート、キムチのように1週間冷蔵庫で寝かすと一番美味しく熟成するそうです。
取材協力
・カカオ・ラボ(https://www.facebook.com/joinKakaolab/)
※ブログ(http://kakaolab.hatenablog.com/)も必見!!
・醸カフェ(https://www.facebook.com/kamoshi.cafe/)