身体にいい食べもののひとつして、ゴマの人気には定評がある。小さい粒のなかに栄養が豊富に含まれているゴマは、日本のスーパーフードともいえるだろう。
ゴマに含まれる栄養には、私たちの身体をサビつかせる活性酸素の発生を抑制するアンチエイジング効果や、骨粗しょう症や動脈硬化を予防する働きが期待されている。
なかでも、注目すべきは「ゴマリグナン」だろう。
ゴマの栄養といえば、ゴマリグナンよりも先に「セサミン」を思い浮かべる人も多いのではないだろうか(セサミンもゴマリグナンの一種)。ほかにも、セサミノールやセサモリン、セサモールなど約10種類の抗酸化物質の総称がゴマリグナンなのだ。
食べるだけで身体が若返るとしたら毎日でも食事の際にとりいれたいところだが、ゴマを食べるときにはコツがあるのを知っているだろうか。
ゴマは、かたい種皮でおおわれているため、そのまま食べても消化されにくい、という決定的な問題がある。では、どうしたらゴマ本来の栄養をあますところなく身体にとりいれることができるのだろう。
おすすめの方法としては、ゴマを「煎(い)った後、擂(す)って食べる」というものがある。ゴマは加熱することにより、より強い抗酸化作用が働き、すって種皮を砕くことで栄養が吸収されやすくなる、と言われているからだ。
つまり、日本の伝統的なゴマの食べ方がいちばん適した方法だったというわけだ。「すりゴマ」はさまざまな料理にトッピングするだけでいい上に、ゴマの栄養を効率よく吸収することができる賢い食の知恵を見直してみよう。