地域で長年培われた独自の農林水産物や食品のブランドを保護する、国の「地理的表示(GI)保護制度」が始まって約1年。その第1弾として登録された茨城県の「江戸崎かぼちゃ」の出荷が始まりました。8月上旬まで、主に首都圏向けに出荷されて食卓にのぼります。
地理的表示(Geographical Indications)保護制度は、昨年6月に始まりました。伝統や消費者の評価など、一定の基準を満たした農林水産物や食品について、その産品の名称(地理的表示)を国に登録することで、農林水産省が定める「GIマーク」をつけて販売することができます。品質に「お墨付き」を与えることで、生産者の利益を保護するとともに、生産者の食の「ブランド」への信頼を守るのが狙いです。
「江戸崎かぼちゃ」は昨年12月、但馬牛、神戸ビーフ、夕張メロンなどとともに第1弾として登録されました。茨城県稲敷市と牛久市周辺で40年ほど前から生産され、その品質の高さと、甘くホクホクとした食感が市場や消費者から高く評価されてきました。畑で完全に熟してから収穫すること、出荷品の全量検査を徹底してきたことが高評価につながっています。約30戸の生産農家が約28ヘクタールの畑に作付けをしており、今年は10kg入り約4万5,000箱が主に首都圏向けに出荷される予定だそうです。
JA稲敷の担当者は「ブランドとして統一することで、高品質のかぼちゃを消費者に届けていきたい。ブランド価値を向上させて消費者への浸透を図ることで、後継者や新規就農者が続いてくれるサイクルを築いていきたい」と話しています。
GI制度に登録された農林水産物・食料品は、
http://www.maff.go.jp/j/shokusan/gi_act/register/index.html
で参照することができます。