大豆の1.8倍!?高野豆腐の効能の新たな研究成果が発表された!!

カテゴリー:ニュース 投稿日:2016.05.23

高野豆腐(凍り豆腐)を食べると中性脂肪やコレステロールが下がる効能があり、この効能は豆腐を圧縮したり凍らせたりする伝統的な製法に由来しているという研究成果が発表されました。関係者たちは「健康に良い高野豆腐をもっと知ってもらって消費拡大につなげたい」と話しています。

この研究成果は、業界団体の「こうや豆腐普及委員会」(長野市)が発表しました。同委員会はこれまで、高野豆腐に多く含まれる不消化性たんぱく質(レジスタントタンパク)が、中性脂肪や、動脈硬化などの原因とされ、「悪玉コレステロール」と呼ばれるLDLコレステロールの上昇を抑制するとの研究成果を発表しています。

今回は高野豆腐の製造工程に着目。原料の大豆をすりつぶして煮て、おからを取り除いた豆乳から豆腐をつくって圧縮し、凍らせて低温熟成させる各工程ごとに、レジスタントタンパクの量がどう変化するかを分析しました。豆腐を圧縮し、凍らせて低温熟成させる過程でレジスタントタンパクの量が急増し、最終的に原料の大豆と比べて約1.8倍となったことが確認されたそうです。研究成果は4月に出版された学術誌に掲載されました。

研究の中心となった旭松食品(長野県飯田市)研究所の石黒貴寛研究員(38)によると、豆腐に強い圧力が加わり、凍結・低温熟成される過程で、大豆のたんぱく質同士の結合が強まるそうです。石黒さんは「独特の食感を生み出す伝統的な製法が、たんぱく質を結合させて人間の消化器内に残りやすくなり、効能につながるようです」と話しています。現在は工程の多くは機械化されたものの、豆腐を圧縮して凍らせて低温熟成するという伝統的な製法は変わらないそうです。

普及委員会によると、高野豆腐の昨年の国内生産量は、原料大豆の使用量ベースで約2万トン。長野県は全国一の生産量を誇り、国内の高野豆腐の大半を生産しているそうです。同委員会は、多くの人々に健康食品としての高野豆腐を知ってもらえるように、研究成果を広くアピールしていくことにしています。

※「こうや豆腐普及委員会」:http://www.kouya-tofu.com/

 

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編集部
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