豆板醤といえば輸入物、というのが一般的です。しかし、JA秋田やまもとそらまめ部会が生産する「まごころ豆板醤」は、珍しい国産の豆板醤です。
地場産のソラマメに加えて、同じく地場産の米・大豆を原材料とする味噌を使用するなど、とにかく「地場産」にこだわって作られています。
もともとは転作作物のソラマメ
もともとは、米の転作作物としてソラマメを栽培したのがはじまりです。栽培してみると、やまもと地区の土壌や気候がソラマメ作りには適しており、質の良いものが採れるようになりました。しかしいくら質が良くても、さやに1粒しか入っていないソラマメの価格はあまりにも安いため、これを加工品として売り出せないかと考えられたのが、ソラマメを原材料とする豆板醤でした。
ソラマメ麹を作る段階からの豆板醤作りは全国初の試みで、最初はまさに試行錯誤の連続でした。苦労の末、平成12年に初めて100kgを仕込み限定販売したところ、1ヵ月も経たずに完売。そこで本格的に生産を開始。平成27年には1800kgを生産するまでになりました。
仕込みから出荷まで6ヵ月以上の発酵・熟成
豆板醤づくりは、まず6~7月に収穫されたソラマメを乾燥させ、手作業で丹念に薄皮まで剥(む)くところから始まります。これに麹菌をまぶしてソラマメ麹にしてから唐辛子と混ぜて半年発酵させます。その後、地元産の味噌と混ぜて味をまろやかにし、1ヵ月熟成させると豆板醤が出来上がります。現在は、唐辛子のみ風味を重視して韓国産を使用していますが、ゆくゆくは唐辛子まですべて地元産にするべく、この豆板醤にあう品種の栽培を研究しています。
ソラマメを1粒ずつ丁寧に剥く
地元産の味噌と混ぜる
和食にも合うまろやかなうま味と辛味
豆板醤と言えば中華がまず思い浮かびますが、「まごころ豆板醤」は中華はもちろん和食にもよく合う、まろやかなうま味と辛味を持っており、輸入物にはないやさしい味に仕上がっています。そのため従来の豆板醤では考えられなかった、そのままご飯にのせていただくのがオススメ!これも国産ならではの日本人の味覚にあった安心・安全な豆板醤を作りたいという生産者の意気込みの成果でしょう。
編集部でもオススメの「そのままご飯のせ」を実食!輸入物とは異なり、麹と味噌のうま味が唐辛子の刺激的な辛さをまろやかにしていて、ご飯にとてもよく合いました。なんともやさしい味で、ついおかわりをしてしまいました。きゅうりやセロリなどのディップにもぴったりだと思います。
編集部でも実食
商品情報
・まごころ豆板醤(甘口・辛口)120g/476円(税込み)
・手仕込み豆板醤(甘口・辛口)45g・2個セット/756円(税込み)
生産者:JA秋田やまもとそらまめ部会 加工グループ
取り扱い店:
道の駅ことおか直売施設「グリーンぴあ」(秋田県山本郡三種町鹿渡字高石野123-2)
ハタハタ館・産直ぶりこ(秋田県山本郡八峰町八森字御所の台51)
秋田ずらり(ネット販売:http://akita-zurali.jp/)