一度は作ってみたい発酵食品の一つに味噌があります。でも、作るのに手間がかかるのでは?とか、大きな樽や貯蔵場所がいるのでは?と思っていませんか?
実は味噌は簡単に作れます。分量や塩加減も自由に調節可能。しかもなんと!衣類圧縮袋でできるのです。仕込むのは寒い今のうちがベスト。ぜひ寒仕込み味噌に挑戦してみてください。自分が作った味噌で、格別においしい味噌汁をいただきましょう。
味噌の基本をおさえよう
味噌は麹の種類や割合、塩の割合、仕込み時期、熟成期間などによって味も色合いも驚くほど変わりますが、まずは基本をマスターしましょう。
味噌は空気が入るとカビが生えやすくなります。そこでポリ袋と衣類圧縮袋を使ってカビを防ぎます。
【材料】
乾燥大豆:500g
米麹:1kg
天然塩:300g
大豆の煮汁:適宜(つぶした時の調整用)
【道具】
圧力鍋
大きくて厚手のポリ袋:5枚
衣類圧縮袋(今回は40cm×30cmを使用。100円ショップで購入)
※初心者が作りやすく、貯蔵しやすい量。約2.5kgできる
【作り方】
1./米を研ぐように大豆をよく洗い、大豆の3倍量の水につけて一昼夜置く。
2./3倍程度にふくらんだ大豆を、圧力鍋で圧力がかかってから中火で30~40分程度煮る。煮上がりは、圧力が抜けたら豆を取りだしてみて、親指と小指で抑えて簡単に潰れるかどうかで見る。圧力鍋がなければ大きい鍋で3~4時間程度煮る。
くにゃっと柔らかい感じになるまで煮る
3./大豆を煮ている間に、塩と麹をポリ袋に入れ、麹の塊をほぐしながら塩とよく混ぜておく。
4./煮上がった大豆を40℃程度まで冷まし、半量を2枚重ねたポリ袋に入れ、丈夫なガラス瓶などで粒がなくなるまで丁寧につぶす。ここで丁寧につぶすと、なめらかな味噌ができる。大豆がパサパサする感じがしたら、大豆の煮汁を入れてしっとりした感じになるようにする。残る半量で同じものをもう1つ作る。
5./4に3を投入し、袋の中に手を入れて、麹と大豆がまんべんなく混ざった状態にする。
6./よく混ざったら、ポリ袋の角まで豆をいきわたらせ、袋の下部から手で上に空気を押し上げて空気を抜いていく。空気があるとカビやすくなるので注意。
袋の角まで豆がいきわたるようにする
空気を抜いて豆と袋を密着させる
7./袋から空気が抜けたら、袋の口をガムテープで少しだけ空気抜きを残して留める。これをセーターを丸めるように丸めて、さらに空気を追い出す。
8./7を衣類圧縮袋に入れ、吸引口をアルコールできれいに拭いた掃除機で空気を抜いて密封する。ぴっちり密封することでカビを防ぐ。
9./この時期なら室内に置き、15℃以上に気温が上がってきたら冷暗所に置く。熟成してくるとタマリが出てくるので、袋の口は上向きにしてもれないようにしておく。
10./熟成中、時々様子を見る。茶色い水(タマリ)が上がってきたら、にぎりこぶしで押しこむ。1カ月に1度ぐらい、袋ごともむと発酵がまんべんなく進んでおいしくなる。3カ月ぐらい経った頃から食べられるようになる。最初は麹の香りの強い若い味噌、その後熟成が進むとカドの取れた熟成味噌になる。お好みの段階で冷蔵庫に入れれば熟成は止まる。2年ぐらいの熟成がよりおいしいとも言われている。
好みの味噌早見表
味噌は、麹の種類や割合、塩の割合、熟成期間などにより味も色合いも変わるので、下の表を目安にお好みのものを作ってみてください。麹と豆の割合は自由に決められますが、大豆が多いとカビやすくなります。また塩の量も控えめにしすぎるとカビたり、腐る原因になりますので注意しましょう。塩の量は、乾燥豆+麹の重さの20%~23%程度が基本です。
味噌は生き物です。人が快適だと思う環境に置くようにすると、味噌も快適!でうまく熟成しておいしくなります。
カビ対策について
温かくなってから仕込むとどうしてもカビが生えやすくなります。
ポリ袋ではなく樽などの容器で作る場合は、容器上部の空気に触れる面がカビるので、和紙を載せて、その上から重しがわりに塩を置く、板状の酒粕でぴっちりふたをする、練りワサビを入れた容器を置くなどの方法があります。
ついに編集部でも手前味噌にチャレンジしてみました。作り方は文章にすると長くなるので面倒に思えますが、とても簡単でした。豆を煮るのも圧力鍋の威力でわずか20分で煮えたし、あとはつぶして麹と混ぜ、圧縮袋で空気を抜くだけという作業なので拍子抜けでした。仕込んでから1週間が経過していますが、まだ変化はありません。経過はまた報告します。