1月11日の鏡開きは「かき餅」で!!

カテゴリー:食情報 投稿日:2016.01.10

年明け行事のひとつである「鏡開き」。お正月に神や仏にお供えした鏡餅を頂いて、1年の無病息災を祈り神仏に感謝する年中行事だ。供えた鏡餅を下げる日は、地域によってまちまちだが、多くは1月11日に行われている。江戸時代初期までは、1月20日(旧暦)に行われていたが、慶安4(1651)年4月20日の徳川家康の亡き後、忌日の20日を避け11日に行われるようになった。

 

現代でこそ、プラスチック製で鏡餅型の容器のなかに市販のお餅がいくつか入っているというスタイルが、一般家庭の主流になっているが、一昔前は、年の暮れになると、親戚や近所の家々が集まって餅を搗(つ)き、この餅から年神様へのお供えものとして鏡餅を飾る光景が各家庭でよく見られていた。

 

松の内(正月飾りが飾られる期間)に床の間や神棚に飾られていた餅は、鏡開き後に雑煮やお汁粉などにして食べられるほか、かき餅にして食べる風習もあることはご存知だろうか。

1979年放送の向田邦子脚本のドラマ「阿修羅のごとく」では、鏡開きされたカチカチに乾燥した餅を割って、油で揚げてかき餅(おかき)をつくるシーンがある。揚げたてのかき餅を囲み、四姉妹でおしゃべりしながら食べていて、なんとも美味しそうに映る。(おしゃべりの内容は、父の不倫について!)鏡餅の餅は、刃物で切ること忌み事とされ、叩き割る風習がある。ドラマ上でも次女・巻子(演:八千草薫)の夫・鷹男(演:緒形拳)が叩き割っていることから、当時の一般的な家庭の習わしを垣間みることができるだろう。

 

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醤油を垂らしたかき餅もおいしい

 

そもそも「かき餅」の名前の由来は、鏡餅の餅を槌で叩き割り、手で欠いたことから生まれている。その歴史は古く、平安時代中期には、固い食べ物を食べて歯を丈夫にし、長寿を願う「歯固め」の儀式として、正月に宮中で食べられるようになったといわれている。

 

乾燥させた餅を食べやすい大きさに切り、160〜170℃の油で揚げ、粗熱を取ったあとに塩をまぶせば出来上がり!今年の鏡開きの餅で、つくってみてはいかがだろうか。

 

※トップ写真は、熊本の旧家の鏡餅。熊本では干し柿や昆布がつきもの

 

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編集部
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