てらやま農園の米作り③ 水の管理と追肥のしかた

カテゴリー:食情報 投稿日:2019.07.29

令和元年7月上旬。てらやま農園の田植えから1ヵ月が経過しました。田んぼの様子を確かめに訪ねてみると、先月からは比べ物にならないくらい青々と茂って、稲がぐんぐん成長している様子がうかがえました。

1ヵ月でこんなに成長しました!

 

今年の関東は記録的な日照時間の少なさということですが、7月上旬現在、てらやま農園の稲たちは元気に育っているようです。寺山將之さんにお話を伺いました。

 

Q取材させていただいた田植えの稲は、みんな元気そうですね。
今のところ元気ですよ。うちの田んぼは、光合成しやすいように苗と苗の間隔を広めにとって植えているんです。品種は普通、水田1枚に60株くらい植えるのですが、うちは敢えて50株程度に抑えて植えています。

 

Q植える苗の間隔を調整していたのですか。では、もっと間隔を広くしたらどうなるのでしょうか。
あんまり間隔を広く開けすぎると収穫量が減ってしまいますし、稲刈りの際にコンバインが沈んでしまうんですよ。ほどよく稲の根がないと、逆に作業しにくくなってしまいます。
なるほど、絶妙なバランスがあるわけですね。

 

ポイント1:水の管理

Qこの時期は、どのようなスケジュールで生活されていますか?
朝起きたらまず田んぼを1周して、水の量を調節することから1日が始まります。田植えの前は、土づくりを重点的にやっていたでしょう。田植えの後は、とにかく水の管理です。

この時期は水深3~4cmが目安

 

水が多すぎると、根が酸欠状態になってしいます。梅雨で雨が降り続きますから、水田の水が増えすぎると水を抜き、逆に減り過ぎたら足して、程よい量をキープします。

 

ポイント2:追肥

Q水の管理以外に、この時期に気を付けている点はありますか。
田植えの後、水の管理と並んで大切なのが、追肥です。これは田植えから何日後などと決まった法則はなく、稲の葉の様子を見て時期と量を決定します。

 

Q葉の様子というと、ピンとしているとか、ヘタっているとか、そういうことですか?
そうじゃないです、むしろ葉の色ですね。栄養分が足りなくなってきた稲は、葉の色が薄くなってくるんです。ですから、葉の色を見てどの部分にどの程度の追肥を施すか決定しています。

 

Qどの肥料をどの程度あげたら収穫がうまくいくとか、そういうことまで考えて追肥するのですね。
そうです。私は毎年、何月何日にどんな作業をしたかをしっかり記録に残しています。その年の米の出来をみて、どう追肥したのが良くて、どうしたら悪かったかも、こうして記録しているとよくわかります。

毎日手書きで記録している

 

これが何十年分もあるのだそう

 

水田周りの生物たちも米作りの仲間

毎日水田周りを見回って、水の調整や草取りをしていると楽しみなのが、水田周りの生物です。

 

Q生物ですか?
ほら、土づくりの取材でお話したヒメイワダレソウの花には、たくさんのミツバチが寄ってきているでしょう。あれはとても可愛らしいを咲かせますが、匂いも甘くて良いんですよ。

ヒメイワダレソウの花とミツバチ

 

水田周りで作業をしていると、他にもカエルやカブトエビ、ドジョウなど、いろんな生物がいるんですよ。もう少し秋に近づくとツバメやムクドリもたくさん来ます。カラスとスズメはセットで来ることが多いですね。

 

Q水田周りに鳥がいるのは大丈夫なんですか?米を食べられたりしませんか?
鳥はむしろ、稲に付いた虫を食べてくれるんです。自然の営みの中で農業をやっていますからね。生物もみんな仲間です。一緒に米作りしていきますよ。

 

てらやま農園は強い農薬などを使わず、自然の中で米作りをしているので、生物も安心して寄ってくるのかもしれません。稲に対するきめ細かい心遣いと、積み重ねてきた知識量と、周りの生物との自然な共存と。今回の取材も、米作りを通して人生を教えていただくような、そんな素敵な時間となりました。

\  この記事をSNSでシェアしよう!  /

この記事が気に入ったら
「いいね!」しよう!
小泉武夫 食マガジンの最新情報を毎日お届け

この記事を書いた人

編集部
「丸ごと小泉武夫 食 マガジン」は「食」に特化した情報サイトです。 発酵食を中心とした情報を発信していきます。

あわせて読みたい