地元の食べ物を食べて育っていく子どもたち
あるNPOが全国200ヵ所の市町村を対象に子どもたちに「自分の住んでいる町が好きですか?」とアンケートしたところ、「好き」という回答が多かった市町村の1つが高知県の南国市でした。
今から14年ほど前、南国市では市と農協、漁協が一体となって、子どもたちにできるだけ地元の食べ物を与えようという取り組みが始まりました。当時は、まだ「自産自消」という言葉も広く使われませんでしたが、南国市の試みは、まさしく自産自消の実践に他ならなかったのです。
南国市の子どもたちは、小学生のときから田植えや稲刈りをします。自分たちが食べる米を、自分たちでつくっているのです。学校の教室には電気炊飯器が置かれ、自分たちで炊いたごはんを給食に食べます。おかずは和食主体の献立。もちろん食材は地元でとれたものが中心です。今、学校給食に使われる地元の食材の比率は、全国平均で23%ですが、南国市は92%を地元で調達しているのです。
“自産自消教育”の素晴らしい成果
こういう給食を10年続けた頃、自産自消の効果について調査が実施されました。その結果、次のような4つの著しい変化が認められたのです。
1病気がちの子どもがいなくなった。
2成績がよくなった。
3いじめがなくなった。
4食べ残す子がいなくなった。
※トップ写真はイメージです。
(続く)
小泉武夫
※本記事は小泉センセイのCDブック『民族と食の文化 食べるということ』から抜粋しています。
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