アメリカ発祥のタバスコは、辛い調味料の代表で「タバスコ」の名前はアメリカのマキルヘニー社が商標権をもっています。日本には昭和20年頃にやってきて、ピザやパスタには欠かせない調味料になりました。海外では、ステーキやバーベキューのほか、牡蠣をはじめとするシーフードなど、さまざまな料理に使われています。
麹の力で発酵力と旨みをアップ!
本来のタバスコは、すりつぶした唐辛子と塩を3年以上、発酵熟成させ、さらに酢を加えて作るといわれますが、ここで紹介するのはすぐに使えるタバスコ風唐辛子ビネガーのレシピです。仕込みに塩麹を使うことで、発酵熟成を促進し、さらに旨みをプラス。仕込んだ直後は唐辛子のフレッシュな香りと辛さを楽しめて、時間がたつにつれて発酵がすすみ、まろやかになり、旨みが加わります。
タネを入れたほうが辛くなりますが、鮮やかな色に仕上げたいときはタネを除くのがおすすめ。もっと辛くしたいなら、辛い唐辛子の品種(ハバネロなど)を使う方法も。
また、青い唐辛子で仕込むと緑の唐辛子ビネガーになります。緑のソースはハラペーニョを使うのが代表的なレシピですが、日本では入手しやすい品種の青唐辛子を使うとよいでしょう。また、複数の唐辛子をブレンドしても。
生の唐辛子が入手できないときは、乾燥唐辛子を使ってもOK。一晩水に戻してから使いましょう。赤も緑も唐辛子の色がちがうだけで、作り方は同じです。
【材料(150mlビン1本分)】
・唐辛子 赤または緑(生):ヘタとタネつきで80g
※乾燥唐辛子の場合は種をとり水で戻したもの約40g
・にんにく:1片
・塩麹:大さじ1(または塩小さじ1+米麹小さじ1)
・酢:約80ml
唐辛子(赤)、酢、塩麹、にんんく
唐辛子(緑)、酢、塩麹、にんんく
【作り方】
1./唐辛子はヘタと種をとる。乾燥の場合は種をとって戻しておく。唐辛子をさわるときは、素手で作業すると危険なので、かならずビニール手袋をすること。
縦に切り込みを入れて種をとる
2./にんにくは皮をむき、さっとゆでてみじん切りにする。
ゆでることで辛みがまろやかに
3./唐辛子をフードプロセッサーにかける。
包丁でみじん切りにしてもよい
4./唐辛子とにんにくをすり鉢で好みのなめらかさにすり混ぜる。
なめらかになるまですっていく
5./なめらかになったら酢を加える。酢は米酢、穀物酢、りんご酢、ワインビネガーなど、好みのものを選ぶ。
さらによく混ぜる
6./塩麹を加え、よく混ぜる。最後に味を見て、ものたりないときは塩麹や塩(分量外)をたす。
塩麹を入れて混ぜる
7./すぐに使えるが、1ヵ月以上、発酵熟成させると旨みが深まる。さらさらした食感が好みの人は、熟成後、裏ごしする。保存は冷蔵で2~3年。
出来上がり!
●ホタテのピリ辛カルパッチョ(タバスコ風発酵唐辛子ビネガーを使ったレシピ)
発酵タバスコ風唐辛子ビネガーを使った辛いソースは、シーフードによく合います。ホタテのほか、タイやスズキなどの白身魚、アジやサンマ、イワシなどの青背魚、サーモン、タコなどもおすすめです。
【材料(2人分)】
・ホタテ貝柱(刺身用):8個
・カイワレ大根:1/2パック
・ラディッシュ:2個
・ベビーリーフ:適宜
・チャイブ:適宜
▼A
・オリーブオイル:大さじ2
・発酵タバスコ風唐辛子ビネガー:大さじ2
・レモン汁:大さじ1/2
・塩・こしょう:適宜
【作り方】
1./カイワレ大根は食べやすい長さに、ラディッシュは薄切りにし、ベビーリーフとチャイブは洗って水けをきる。
2./ホタテは食べやすい厚さに切る。ここでは半分にカット。
3./Aのたれを混ぜる。
4./器に2のホタテを盛って塩少々(分量外)をふる。1の野菜を添え、3のたれを回しかける。
撮影:信長江美
文・レシピ:オザワエイコ
手作り調味料研究家。編集者。自家製調味料の仕込み教室「かもしラボ」主宰。著書に『だからつくる調味料』(ブロンズ新社)がある。