小泉武夫センセイ (当サイト総合監修/東京農業大学名誉教授)は「日本人のキノコ食には歴史と伝統があるから、その栽培や料理、加工などにも数々の知恵がある。
椎茸は天日で乾燥し、栗茸やしめじは塩蔵、なめこは缶に詰められて半永久的に保存でき、松茸や椎茸は佃煮にしても長く保存がきくから、即席のおかずや酒の肴として大いに重宝されている。」と著書で語っています。(「食に知恵あり」より 日本経済新聞社)
中でも「天日干し」は先人の知恵が生み出したマジックのような保存方法で、
キノコは「天日干し」をする事で、ビタミンDの量が最大約4倍にまで増えます。
ビタミンDは、カルシウム吸収を促し、また吸収されたカルシウムを骨へ沈着させる働きがあるので、成長期の子供や骨粗しょう症が気になる方には欠かせないビタミンです。
また乾燥させると、キノコに含まれる酵素の働きによって、旨味成分が増します。昆布や鰹節は旨味が凝縮しますが、「干すと旨味が増える」というのはキノコ特有の特徴です。
【乾燥キノコの作り方】
1./キノコの石付きを取り、軽くキッチンペーパーで拭く。
料理にそのまま使える使いやすいサイズに切っておくと便利。
2./ざるの上に重ならないように広げ、日光の当たるところに置く。
3./1日干し。
セミドライで表面は乾燥してるが、中には水分が残り柔らかい感触。すぐに食べたい時にオススメ。冷凍保存か、冷蔵庫で4日くらい保存が可能。
4./3日干し。
フルドライで保存がきき、密封容器で3週間ほど保存可能。3分の1くらいの大きさに。
10分程度が目安
キノコ独特の風味と旨みを存分に味わいたいなら、香りと風味が水に溶け出し逃げてしまうので、あまり長期間水で戻し過ぎないのがお勧め(10分程度に)。
また、出汁を取る目的で使うならじっくりと時間をかけて戻し、戻し汁ごと調理に使うと、旨味も栄養もスープに溶け出しとっても美味になります。