日本のだしといえば、鰹節。昆布や干しシイタケなどを使っていますが、なかでも鰹節は香りとうま味がとても豊かです。さらに本枯節は発酵食品でもあります。
鰹の頭と内臓を取り除き、最初の工程「生切り」で背側2本の「雄節」と腹側2本の「雌節」の4本の「本節」が作られます。その後、丁寧にじっくりと煮つめ、骨を抜き、皮やうろこ、皮下脂肪や汚れを取り除き、蒸し籠に並べて燻して乾燥させ「荒節」が出来上がります。
「荒節」の表面を削った「裸節」に1~2回のカビ付けと天日干しをしたものを「上枯節」あるいは「荒本枯節」といい、それをさらにカビ付けと天日干しを3~4回以上行ったものを「本枯節」と呼び、発酵食品となるのです。
「本枯節」を自宅で削って、香り豊かで味わい深さを楽しんでみましょう。この季節、新米の炊き立てご飯に削りたての本枯節をのせて、お好みでお醤油を少しかけた本枯節ご飯は、身近なごちそうです。
削りたての本枯節を使って、とろろとチーズで簡単なグラタンなどもおすすめの一品です。
【材料】
・本枯節:1本
・削り器
本枯節と削り器
1./本枯節は、表面にカビがついているので、削る前にペーパータオル等で軽く拭き取る。本枯節を濡らすことは、劣化したり長期保存ができなくなるので、洗ったり水で拭いたりはしない。
表面をていねいに拭き取る
2./削るときは、尾側(皮がついている方)を先に向け頭側から削る。頭側の斜めの部分を台座にあて、尾側を斜め上に向いた状態で前に押して削る。
削り始めの面
3./ケースが透明の削り器は、削っている様子が横から確認できる。
横からも確認できるのが楽しい
4./炊き立てご飯と共に。
炊き立てご飯に
お好みでお醤油をかけて
▼とろろと鰹節のグラタンの作り方
【材料】
・長芋:200g
・鰹節:削りたて適量
・玉ねぎ:中1個
・生クリーム:100ml
・ショートパスタ:100g
・とろけるチーズ:100g
・醤油:小さじ1
【作り方】
1./長芋は、皮をむき3cm幅の輪切りにしてフードプロセッサーで撹拌する。ペースト状になったら、生クリームを加え再度撹拌する。
2./1に削りたての鰹節を加えて、醤油を加え軽く撹拌する。
鰹節を加えて撹拌する
3./玉ねぎは、スライスしてフライパンでバター(分量外)を加えて炒め、茹でたパスタを加える。
4./3を耐熱容器に入れ、2を上に流し込み、とろけるチーズをのせる
鰹節のうま味たっぷりソース
5./230℃のオーブンで10~15分焼き、焦げ目が少しついたら出来上がり!
長芋のとろみソースが美味しい
坂本広美/発酵食品ソムリエNo.111。発酵料理愛好家。スクールカウンセラーなど子育て相談も務め、子どもの心とからだの成長発達に大切な「食」を親子で楽しむイベントなどを開催。
文庫版サイズ(厚さ1.6×横10.5×縦14.8cm)
464頁
定価:本体2,000円+税
発行:株式会社IDP出版
ISBN978-4-905130-46-8
◎入手方法
全国の書店やインターネットサイトなどで販売しています。