玄米発酵食品(玄米酵素)のがん抑制作用について【玄米ヘルシーライフのすすめVol.2】

カテゴリー:[PR], 発酵食品全般 投稿日:2018.02.20

北海道大学名誉教授で元日本癌学会会長、現在は公益財団法人札幌がんセミナー理事長の小林博先生(90歳)が座長を務めるFBRA(ふぶら)学術研究会は、玄米酵素の健康効果を検証している。第1回は玄米酵素の抗酸化作用が検証されたことを紹介した。さらに明らかになった効果とは?

 

動物実験で証明された玄米酵素の抗がん作用

Q/抗酸化作用の次は、どのような研究を行ったのですか?

「玄米酵素にがんを抑える効果があるかどうかを確かめました。がんを選んだのは、自分の専門ということもありますが、がんは究極の慢性疾患。そうした病気に効果があることがわかれば予防的に活用できるのでは、という思いもありました」

 

「私が研究を依頼したのは、発がん予防研究の権威である森秀樹先生(前・岐阜大学学長)でした。森先生はまず、大腸がんを誘発するアゾキシメタン(AOM)という発がん物質をラットに皮下注射し、普通食だけを与えるグループ、普通食に玄米酵素を与えるグループに分けて、大腸がんの発生率を調べたのです。結果は見事に玄米酵素が大腸がんを抑制する効果を示すものでした(下図参照)」

「その結果が出たときは嬉しかったです。大腸がんの予防効果だけでなく、その後肝臓がん、肺がん、胃がん、前立腺がん、食道がん、口腔がん、膀胱がんの発がん抑制効果、それに膵臓がんと前立腺がんの進行抑制効果も確かめられました。がんの化学予防の分野では、ひとつの成分がこれほど多くのがんに効果がある事例は見たことがありません。治療薬は効き目のある特定成分だけを抽出していますが、薬ではない玄米酵素には東洋医学的な意味で多様な成分が含まれているため、こういう効果が出るのかもしれません。そこはこれからの研究課題だと思っています」

*玄米酵素(FBRA)の詳しい研究データの解説はこちら

 

北海道大学時代「がんの異物化」に成功

Q/小林先生は、がん研究者にとって我が国最高の栄誉とされる「吉田富三賞」を受賞されています。どんな研究に与えられたのでしょうか。

 

「がんを根治する方法を探していて、たどり着いたのが『がんの異物化』でした。人の体内に細菌やウイルスなど異物が侵入すると、免疫機構が働いてやっつけてくれる。しかし、がん細胞はもともと本人のものなので免疫機構が働かない。それなら、がん細胞を異物化すればいいと考えたのです。

 

「細かいことを省いて言うと、マウス(ハツカネズミ)の白血病ウイルスを生まれて間もないラットに接種すると、増殖して白血病やリンパ腫になります。これを同系のラットに移植すると、一旦大きくなってもやがて小さくなって治ってしまいます。ラットにとってマウス由来の白血病やリンパ腫は異物なので、免疫機構が働いてがんをやっつけてくれるのです。

 

この概念を応用していろいろの実験をやりました。マウスのウイルスを人工感染させたラットのがんは、一旦大きくなってもみんな必ず治ってしまうのです。免疫学的に説明できる世界で初めての『がんの自然退縮』だったのです。ですから、がんは免疫学的に征服できると思いました。この種の実験は手広く行い、最初に英文の論文になったのが1969年、その後も論文をずいぶん書きました。このときの研究の先進性が見直されて、2000年に吉田富三賞をいただきました」

小林博先生

 

「(財)札幌がんセミナー」でがんの相談

Q/小林先生が理事長を務める(財)札幌がんセミナーは毎年札幌で開催する「国際がんシンポジウム」「札幌冬季がんセミナー」などを主催し、がん研究者や患者さんを支援していますが、がんの患者さんや家族の相談にものっていますね。

 

「がん相談は1991年から行っていますが、これまで1000件を超える相談を受けました。もちろん無料で、1件に30分から1時間かけてじっくり話をうかがいアドバイスを行います」

 

「以前はがんといえば“不治の病”とされ、患者本人には告知せず家族に伝える医師が多かったのですが、2000年頃を境に患者本人に告知をし、患者が治療方針を選択できるようになりました。その背景には、治るがんが増えてきたことがあります」

札幌がんセミナーが入る北海道医師会館

 

Q/患者さんやご家族からは、どんな相談が多いでしょうか?

 

「がんとの闘い方は2つあるというのが私の持論です。治癒の見込みがあるときは、がんと前向きに対決し闘うべし! 治癒の見込みが厳しいときは無理に戦わないで緩和ケアを重視し対話すべし! つまり“対決”と“対話”のいずれかを選ぶことになりますが、ときには難しい局面もあります」

 

「こんな例もありました。どう見ても助かる見込みのない進行・末期がんの患者さんが、特定の抗がん剤をぜひ使ってほしいという強い申し出がありました。主治医は抗がん剤を使うと身体が耐えられないと考えていましたが、患者本人が強く要請するため、主治医は熟慮の末に、家族の同意を得て希望の抗がん剤を正規の投与量の10分の1ほどに薄めて投与しました。がんへの治療効果はありませんでしたが、厳しい副作用はありませんでした。患者さんは希望の抗がん剤を使ってもらい、『きっとこれで治る』と安らかな喜びのうちに息を引き取りました」

 

※第3回では「玄米発酵食品(玄米酵素)と人生百歳時代」をテーマに紹介します

※第3回は2018年3月20日に配信予定

※トップ写真は玄米(右)と白米です

 

【小林博】

こばやし・ひろし/1927年札幌市生まれ。医学博士。52年北海道大学医学部卒業。57年医学博士。59〜61年米国国立がん研究所に留学。66年北海道大学教授。元日本癌学会会長。現在、同大学名誉教授。公益財団法人札幌がんセミナー理事長。『がんの予防・新版』(岩波書店)、『がんに挑む がんに学ぶ』(岩波書店)、『がんを味方にする生き方』(日経プレミアシリーズ)、『人間腫瘍学』『がんの未来学』『なぜがんと闘うのか』(いずれも札幌がんセミナー発行・コアアソシエツツ発売)など著書多数。90年紫綬褒章を受賞。

小林先生のこれまでの著書の一部

 

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この記事を書いた人

編集部
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