「へしこ」とは、鯖などに塩を振って塩漬けにし、さらに糠漬けにした若狭、丹後半島の郷土料理です。脂ののった鯖を塩漬けにした後、糠・唐辛子・その他(作り手独自の秘伝の材料)を加え、上に重石をのせて漬け上げます。魚の油と糠などによる発酵・熟成でまろやかで深い旨味があります。本来は生魚を塩漬けにすることから始めますが、今回は簡単に塩漬けの鯖を使って作ります。本格的な「へしこ」はまた別の機会に紹介します。
簡単「へしこ」の作り方
今回は塩漬けの鯖で作りますが、鯵の開き、鰯の丸干しなどでも作ることができます。漬け込む魚を少しなめて塩分を見て塩の量を調整してください(ここではちょうど良い塩加減の鯖を使用)。また、本来は塩漬けの過程で出る魚の水分を加えますが、塩漬けを省略しているのでナンプラーで代用します。さらに重石をかけて漬け込むところ、巻き簾できつく巻くことで重石をかけた状態と同じにして冷蔵庫で作れるようにします。
【材料】
・塩鯖(できれば旨味が出るので頭付きが良い):1尾
・糠:100g
・麹:20g
・ナンプラー:大さじ3
・みりん:大さじ1
・塩:大さじ1/2
・鷹の爪の輪切り:1本分
・巻き簾
頭付き塩鯖を用意
【作り方】
1./糠、麹、ナンプラー、みりん、塩、鷹の爪をボウルに入れよく混ぜて糠床を作る。
2./キッチンペーパーで塩鯖の水分を拭き取る。
3./塩鯖に1をよくまぶし、腹と腹を合わせて抱き合わせる(鯵の開きなら身に1をまぶして閉じれば良い)。
糠をすりこむようにまぶす
4./大きめの密封パックに3を抱き合わせたままで入れ、余った1を加えて空気を抜いて密封する。
余った糠床も入れて空気を抜く
5./巻き簾で4を巻き、きつめにひもで縛って冷蔵庫で最低1ヵ月寝かせて出来上がり。
巻き簾で巻いてきつく縛る
※巻き簾がない場合は、板を2枚用意し魚をはさんでクリップで留めるか、ひもで縛る方法もあります。
お茶漬けはお代わり必至!
参考:【「へしこ」に「なれずし」!! 若狭湾(福井県)は発酵食品の宝庫!!】