寒い時季に収獲するシジミを「寒(かん)シジミ」といいます。越冬のために栄養を蓄え、寒水にさらされて身がしまっているため、大変おいしいのです。
シジミには肝臓の働きを助けるオルニチンとタウリンという成分が含まれています。忘年会から新年会へと、お酒を飲む機会の多い冬場には、寒シジミを食事に取り入れましょう。
シジミのおすましとおみそ汁の基本的な作り方をまとめました。
シジミのおすましの作り方
まず砂出しをします。0.3~0.5パーセントの塩水に3時間以上浸けて放置。ボウルとザルを使うと、吐いた砂を吸い戻すことがないので便利です。砂出しの必要がない場合は、下記の工程2から始めてください。
シジミは加熱し過ぎると固くなってしまいますので、貝が開いたら急いで調理してくださいね。
おすましは、昆布とシジミの旨味を存分に味わえるレシピです。
【材料】(2人分)
・シジミ:約150g
・水(砂出し用):800ml
・塩(砂出し用):小さじ1/2(約3g)
・水(おすまし用):400ml
・昆布:1g
・酒:大さじ1
・塩(味付け用):小さじ1
・小ネギ(またはミツバ):少々
【作り方】
1./砂出しをする。ボウルに水と塩を入れて塩水を作る。ザルにシジミが重ならないように置いて、ボウルの上にのせる。新聞紙などをかぶせて、冷暗所(夏は冷蔵庫)に放置する。
塩水で砂出しをする
2./砂出しの完了したシジミを、流水でゴシゴシ洗って、貝に付着したゴミなどを洗い落とす。
3./小鍋に水と昆布と2のシジミを入れて、弱めの中火で加熱する。アクが出たら掬い取る。
シジミの旨味を抽出
4./貝が開き始めたら、弱火にする。すべての貝が開いたら、昆布を取り出す。酒と塩を入れて、沸騰直前まで加熱。
沸騰直前で火を消す
5./お椀に注ぎ、小ネギかミツバを散らす。
シジミの旨味たっぷり!
シジミのみそ汁の作り方
砂出しの仕方は、おすましと同じです。お味付けには、昆布も塩も使いません。酒(おすましより多く使います)とみそだけで十分です。みそは、できれば赤みそを使ってみてください。赤みそは原料に豆を用い、米みそや麦みそに比べて、濃厚な旨味と渋みが特徴です。シジミの豊かな風味とよく合います。
【材料】(2人分)
・シジミ:約150g
・水:400ml
・酒:大さじ3
・みそ(できれば赤みそ):大さじ2
・小ネギ(またはミツバ):少々
【作り方】
工程1と2は、上記「シジミのおすましの作り方」と同じ。
3./小鍋に水とシジミを入れて、弱めの中火で加熱する。アクが出たら掬い取る。
4./貝が開き始めたら、弱火にする。酒を入れる。すべての貝が開いたら、みそを入れて溶き、沸騰直前まで加熱。
5./お椀に注ぎ、小ネギかミツバを散らす。
みそのコクがシジミとよく合う
おすましとみそ汁、今日はどちら?
福田恭子/発酵食品ソムリエ。薬膳コーディネーター。フリーランス・ライター。京都市生まれ。ドイツ・テュービンゲン大学で学ぶ。文化を専門として茶道家元や京都の老舗料理店の広報誌編集長を務め、国内各地や世界50カ国以上で取材。
文庫版サイズ(厚さ1.2×横10.5×縦14.8cm)
304頁
定価:本体1,800円+税
発行:株式会社IDP出版
ISBN978-4-905130-43-7
◎入手方法
全国の書店やインターネットサイトなどで販売しています。