10月15日、文化審議会は「酒造り」を登録無形文化財に向けて、文部科学省に答申をしました。金内誠宮城大学教授にその意義について伺いました。
「酒造りは、神話の時代までさかのぼります。ヤシオリの酒は、現在の製法に近いともいわれ、日本国の成り立ちや天皇制にもかかわる『草薙剣(くさなぎのつるぎ)』の神話にも登場します。こうじを使った酒造りの記述は『播磨国風土記(はりまのくにふどき)』(奈良時代初期)にもみられます。
また、こうじ菌は、国菌と認定されており、製麹(せいきく)技術やこうじ造りに必要な種麹(胞子を集める)を造る技術は、日本固有の技術なのです。外国でも、こうじ菌を使っていますが、完全に培養を制御して利用しているのは、日本の技術です。アメリカでは清酒や味噌、醤油をつくっています。
このたび『無形文化財』として登録されることは、これら酒造文化を大切にするという点で、非常に喜ばしいことです」(金内教授)
2022年6月には正式登録となりますが、私たちは古くから日本の風土に根ざしてきた「酒造り」を大切な食文化としてさらに継承・発展させなければなりません。まずは清酒で乾杯!
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