なぜ、味噌がよいのか?

カテゴリー:味噌 投稿日:2017.06.30

 大豆を発酵させた味噌の保健的機能については最近特に注目されています。栄養面ではタンパク質・脂質・ビタミン・ミネラルなどの成分が豊富で、古くから日本人を大いに助けてきました。最近では「血液のサラサラ作用」「血圧上昇抑制」「血中コレステロール抑制」「抗酸化性が高い」「老化ケア」「美肌」「免疫賦活性」などの機能があることも分かってきました。ここでは、特に子どもにとって有効だと思われる保健的機能について、まとめました。

 

 腸内環境を健康的に良くする

 味噌は植物性乳酸菌や麹菌など多様な微生物によって醸造されており、腸内環境を健やかに整えてくれます。

 さらに、大豆にはオリゴ糖も多く含まれています。オリゴ糖は胃や小腸で分解されず、そのまま大腸に届けられる性質がありますが、腸内では有害菌を抑えるビフィズス菌がオリゴ糖を栄養源にして繁殖しているのです。

 つまり、味噌に含まれる大豆を通じてオリゴ糖を摂取することによって、腸内の善玉菌を活性化して腸内環境の健康的な改善につながるのです。

 

 消化吸収を促進する

 味噌には良質なタンパク質が多く含まれていますが、実はそのままでは消化吸収されにくいのです。しかし、味噌中の微生物によって発酵過程でタンパク質がアミノ酸に分解され、それが活力源となって利用されるのです。つまり、大豆が発酵・熟成されることによって消化吸収作用を促進するのです。

 

 健康的な排便へ

 味噌の主原料となる大豆は水に溶けない食物繊維を多く含みます。そのため、繊維が水を吸収して膨張し、便通を促す作用があります。

 

 味噌では大豆アレルギーが起こらない

 味噌が発酵熟成する間にタンパク質分解酵素によって大豆のアレルゲンが約3ヵ月で分解され脱アレルゲンとなると考えられています。

 

小泉武夫(こいずみ・たけお)/1943年福島県の酒造家に生まれる。農学博士。東京農業大学名誉教授ほか、全国の大学で客員教授をつとめる。専攻は醸造学・発酵学・食文化論。国や各地の自治体など行政機関での食に関するアドバイザーを多数兼任、また執筆、テレビ出演など多方面で活躍中。ギャラクシー賞ほか受賞多数。食に関する著作は単著142冊、共著25冊を数える(平成29年4月時点)。また『食あれば楽あり』を日本経済新聞に24年間連続連載中。

 

※味噌を食べればすぐに作用が得られる、というものではありません。食生活では味噌以外の食品をバランスよく取り入れていくことが大切です。

※味噌全般のことを指し、特定商品の保健的機能を暗示させるものではありません。

 

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この記事を書いた人

編集部
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