名だたる食通をうならせる里山料理とは?
小泉武夫先生の最新刊の小説です。
本書の紹介によると、
「飛驒の古川に、全国から舌の肥えた客が詰めかける一軒の名料理茶屋がある。その名は『右官屋権之丞』。飛驒の匠の末裔が、匠の心はそのままに、鑿を包丁に持ち替えて開いた店だ。扱う食材は、鳥獣、川魚、山菜など周囲にある自然の恵みや、塩鯨など歴史的に用いられてきた素朴な食材のみ。しかし、その素材を活かし切る技法が想像を絶する一皿を生む。ちくま文庫オリジナル」
とあります。
伝説の料理人藤丸誠一郎による熊鍋を筆頭に、筍の鉄砲焼き、錆鮎の赤煮、冬泥鰌の筏焼き、兎飯、ヨシノボリたたき、沢蟹ドレッシング、などなど90皿。福島県の里山で育った小泉武夫先生の実体験と専門知識に裏付けられて“垂涎”の小説になりました。
【目次】
一 飛驒の匠と「右官屋権之丞」
二 野兎と雉
三 錆鮎
四 茸と蝮
五 野飼いのシャモ鍋
六 水に沈むトマト
七 絶頂の熊鍋
八 魔性の猪
九 秘伝・野鳥料理の仕方
一〇 漬物お静
一一 濁酒先生
一二 誠也の祝儀
一三 春来たる
一四 からいはうまい
一五 客よ、いつまでも
一六 若女将の才覚
一七 土籠りの泥鰌
一八 厨房の四人
一九 雪囲いの魔法
二〇 清流からの恵み
二一 幽寂の菜飯
二二 鯨と家訓
二三 山蜜
ほか
出版社:ちくま文庫
発行年:2023年
発売日:7月10日
定価880円(税込)