【オピニオン】「フード・アクション・ニッポン・アワード2015」に寄せて

カテゴリー:発酵仮面
投稿日:2015.11.24

四方を海に囲まれた山紫水明の国日本には、規則正しく四季が巡り廻ってきますから、自然には年間を通して美しい変化があり、食べものもそれぞれの季節に旬があるのです。このような恵まれた気候風土の中で育ってきた日本人は、この国の隅々に独自の食文化をつくってきましたが、その背景には、この民族の知恵と発想があったことにほかなりません。しかし、先達者たちが残していったそのような豊かですばらしい農や食の文化を、現代の私たちはどんどんと希薄化してしまい、今では自分たちで食べる食料さえ海外に大きく依存し、気付いてみると食料自給率は39%(カロリーベース)まで落ち込んでしまいました。その上、若い農業後継者は著しく減少し、就農平均年齢も65歳を越してしまいました。1億3000万人もの人口を抱えるこの国の、これからの食料生産は一体、大丈夫なのでしょうか。

 

「その国の民族が食べる食料は、その国の民族がつくる」これが「国家」としての原則のひとつなのであります。そのような観点から、日本の食料自給率を急いで引き上げ国民が安心して食卓を囲める生活環境を構築したい。そんな願いから2009年に「フード・アクション・ニッポン・アワード」がスタートしたのであります。そして一昨年、日本が誇る「和食」というこの国の伝統的食文化がユネスコの無形文化遺産に登録されました。これを機会に今こそ国民は、世界に冠たる日本の食文化を守り、継承する形で食料自給率を高める責務を負ったのです。幸いにも政府は地方創生にも力を入れ、また農業の六次化構想も積極的且つ着実に進めているなど地方発信からの農の活性化を大いに振興しています。従って今こそ、将来の日本を背負って立つ子供たちのためにも、農林水産王国・日本を再興するためにも、この「フード・アクション・ニッポン・アワード」の運動を盛り上げそのうねりを高める必要があるのです。

 

「フード・アクション・ニッポン・アワード2015」に全国から寄せられた事例は、食の未来をつくりだそうとする信念やたぎるような思いにあふれ、心を打たれることしきりです。

このアワードを機に、食に携わるすべての人々が、そして日本中の食卓が、さらに明るく元気になって、おいしい日本の未来が訪れることを心から願っています。

小泉武夫

●フード・アクション・ニッポン・アワード2015の受賞者一覧はこちら(http://koizumipress.com/archives/1996)

フード・アクション・ニッポン・アワード2015(http://syokuryo.jp/award/)

 

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