
柿が赤くなりはじめる時期になってきました。柿は、未熟でも風などで落ちたり、柔らかくなりすぎてヘタが取れて落ちることがよくある果実です。そんな柿でも柿酢は作れます。しかも作り始めてからどんどんつぎ足していけるので、落ちたら瓶に投入!で簡単に作れます。
落下柿の「柿酢」の作り方
落下柿は、未熟でもトロトロでも、甘柿、渋柿、何でもOK!生では食べられない柿で十分です。落下しているので洗ってから使用しますが、それでもきちんと発酵します。また虫が付いたり傷んでいる場合があるので、よく注意してください。
【材料】
・柿:瓶に入るだけの量
・熱湯消毒した果実酒用のガラス瓶
・ペーパータオルまたは木綿のふきん
未熟、トロトロ、こんな柿でOK
【作り方】
1./拾った柿は水洗いして、ヘタを取る。傷んだところがあれば包丁で削る。未熟柿は固いので、早く発酵させるため2~4つ割りにする。
傷んだ部分があれば削る
2./ガラス瓶に1をヘラなどで潰しながら押しこむ。気にせずぎゅーっと押しこんでできるだけ隙間を詰め、ペーパータオルやふきんをかけてゴム輪でしっかり止めてフタをする。フタがゆるいとコバエが入るおそれがある。常温で発酵開始。
3./最初の投入から2、3日経つとプツプツ泡が出て発酵しはじめ、びっくりするほど水が出てくる。フタを開けてヘラなどでかき回し、柿をつぶしていく。4、5日程度経つと、熟しすぎた果物のアルコールのような匂いがわずかにしてくる。
4./落下柿を見つけたら1の手順でどんどん追加投入する。ぎゅーと押して、すでに発酵が始まっている所になるべく浸かるようにする。こうすることでカビをできるだけ防ぐ。瓶が一杯になるまで繰り返す。アルコールと酢、果実の甘い匂いがする。
1週間目。下から酢酸発酵し始めている
2週間目。柿をどんどん追加投入
5./最初の投入から5日ぐらい経つと、柿はさらに形が崩れ、徐々に酢の匂いだけになってくる。ただし、まだ酸味はあまり感じない。
6./投入した柿がすべて原形をとどめないぐらいにトロトロになるまで発酵させる。強烈な酢の匂いがしてくる。舐めてみると酸味を感じるようになる。表面に白い膜が張ることがあるが、これは産膜酵母と言われるもの。害はないので、混ぜ込んでしまって構わない。
すべての柿がこのぐらいになるまで発酵
7./上下十分に混ぜてから舐めてみて、完全に酢の味になったところで、ザルなどに清潔なふきんなどを敷いて濾す。時間がかかるのでここは気長に。
濃いので濾すのには時間がかかる
8./濾したものは、不透明な黄色をしている。濾しても発酵は続いているので、密封しないでペーパータオルなどでフタをしてさらに熟成させるとまろやかでおいしい「柿酢」が出来上がる。
できたてはまだ黄色っぽい色
半年ぐらい経つと見事な柿色に!
柿酢に途中でカビが生えてきたら潔く捨てましょう。また落下柿は、木になっているものより虫が付いている場合が多いので、2~4つ割りにして虫が中に入っていないかをよく確認してください。
なお、アルコール分1度以上の果実酒を製造することは酒税法違反になりますのでご注意ください。
この柿酢はつぎ足しで作るものなので、アルコールと酢、生の柿の果汁が混ざった状態になっていて、アルコール度数が1度以上にはならず、酒税法上の「酒類」(アルコール度数1度以上)には該当しません。