
生活習慣病や心臓病、高血圧予防の効能で注目を集める「柿酢」。当マガジンでは、安心安全な「柿酢」の作り方を紹介しました。柿の実が発酵によって、日々変化していく様子を眺めているのは、子どもの成長を見守るような気分でそれなりに楽しいものですが、そろそろ絞っても良い時期になってきました。そこで今回は「柿酢」の絞り方を紹介します。
「柿酢」の絞り方
昨秋に仕込んだ柿酢は実の形が完全に崩れて、カレールーのようになっています。この状態ではキッチンペーパーなどで濾(こ)そうと思っても、ほとんど水分が落ちずにうまく濾せません。そこで圧搾法で絞ります。
【絞る道具】
・さらし手ぬぐい:1枚
・ザル:1個
・ザルを受ける鍋やボウル:1個
・ヘラやおたまなど:1個
絞り道具を用意
【作り方】
1./さらし手ぬぐいを2つに折り、袋状に丈夫に縫う。この袋は一度作っておけばいろいろ使えて便利。
手ぬぐいを袋状に縫う
2./絞った酢を受けるボウルや鍋の上にザルを置き、そこに袋をセットし、柿酢をおたまに2~3杯ぐらい入れる。入れ過ぎると絞りにくいので注意。
3./1時間ぐらいはそのまま放置。ある程度柿酢が出たところで袋の口をねじって閉じ、圧搾開始。ヘラやおたまなどでぐーっと押していく。
柿酢を袋に投入、最初は放置
袋をねじりながらへらで押す
4./へらで押しても絞れなくなったら、袋をどんどんねじって絞っていく。袋の縫い方が弱いと破けるので袋は丈夫に縫うことが重要。
5./絞り切ると柿の種や絞りかすが残るだけになる。これで絞り完了。あまり強く絞ると果肉が柿酢に入る場合もあるが、しばらく置いておくと沈澱してきれいな柿酢になる。
美しくまろやかな柿酢の出来上がり
6./絞った後は熱湯消毒した瓶などで常温保存する。絞っても発酵は続くので、コルク栓のワインの瓶か、他の瓶であればペーパータオルでフタをする。表面に白っぽい産膜酵母ができることもあるが、これはカビではない。そのまま寝かせて5年経つと黄金の酢に変わるとも言われている。ただし、使う際には匂いや味を必ず確かめることが重要。
絞った「柿酢」はツンとくる強い酸味がなく、とてもまろやかで甘味も感じられます。料理はもちろん、健康ドリンクとしてそのまま飲むこともできます。
柿にはカリウム、みかんの2倍のビタミンC、ぶどうの5倍のポリフェノール(タンニン)が含まれます。また「黒酢」の3倍、「米酢」の10倍のカリウムが含まれ、体内の余分な塩分を排出し、血圧の改善や疲労回復、脂肪の分解を促進し、血液をサラサラにする効果があると言われています。去年は挑戦できなかった方も、今年の秋はぜひ手作りしてみてください。
「柿酢」と寒麹、オリーブオイルのドレッシングは、塩味も酸味も柔らかく、深い旨味を持つ絶品です。
カクテルのようなドレッシング
1月28日配信では「柿酢」を使ったレシピを、小泉武夫先生の教え子でもある「美酒和膳 ひがし中野しもみや」(東京・東中野)さんに紹介していただきます。
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