混ぜるだけ!! 伝統的な発酵調味料「醤(ひしお)」で冷奴!!

カテゴリー:醤油 投稿日:2017.04.22

 発酵食品に関心のある皆さんは、「醤(ひしお)」の存在をご存知でしょうか。

 『丸ごと小泉武夫 食マガジン』では、以前、醤がベースの醤油をご紹介したことがありましたが、まだ、一般的にはあまり知られていない存在だと思います。

 この「醤」の歴史は、紀元前8世紀の中国にさかのぼる古代発酵調味料。日本では縄文時代後期から弥生時代の遺物として発掘されていたようで、奈良時代より一般的に伝わったといわれています。太古の昔から存在し、日本人の食生活に欠かせない醤油や味噌の原形でもあるのです。

 

 「醤」の原料は?

 「醤」は、蒸した大豆と炒った大麦を混ぜ合わせ、そこに種麹を蒔き、菌を繁殖させた大豆麹と麦麹「醤麹(ひしおこうじ)」を原料に、醤油、水、昆布などの出汁を混ぜ、発酵・熟成させてつくられます。ただ、この醤麹自体は、なかなか手に入りづらいもの。

 手作りするには、ネット通販や自然食品店で手に入る豆麹と麦麹を合わせたものを使用するのがオススめ。

豆麹と麦麹

 

 混ぜるだけ?「醤」を手づくり!

 上記の材料を混ぜ合わせ、密閉容器で常温保存させます。発酵・熟成には、暖かい季節の室温20℃前後であれば最短で5日~1週間ほど、冬季は2週間ほどで食べられるでしょう。冬季の場合、発酵を促進させるために日当りのいい窓辺に置いたり、毛布などにくるんで保管するなど工夫してみてください。発酵が進むと醤油の焦げ茶色から赤褐色へなり、麹が柔らかくトロリとしてきたら頃合いです。

 

焦げ茶色から赤褐色へ変化する

 

 熟成期間で肝心なのは、毎日1~2回混ぜて空気を送り込むこと。酸素不足になるとアルコール発酵してしまうので欠かさず混ぜることが大切です。混ぜ方は、下から上へと底に沈んだ粒を表面へと送り込むイメージ。木べらやスプーンでもいいのですが、せっかくなので素手で混ぜて、手についた常在菌の力も借りましょう!

 熟成すればするほど、ドロッとしたまろやかな状態になっていき、旨味やコクも増し、ますます味わい深くなっていきます。ぬか床と同じで、少しずつ継ぎ足していけば一生ものの調味料なのです。

「醤」は、醤油の代用品として、煮物や炒め物などの隠し味に、ご飯やパンの上にのせて食べたりしても美味しいです。編集部では冷奴に付けて食べてみましたが、これまた絶品!ラー油や七味などをちょっぴり足した、ピリ辛醤もおすすめです!

 

冷奴にもバッチリ合う!

 

●醤のレシピ

【材料】

・麦麹と豆麹(同量を合わせる):500g~600g

・醤油:600cc

・水:300cc

・だし昆布:1枚(鰹だしや乾燥椎茸でも可)

 

【作り方】

1./清潔な密閉容器やガラス瓶などに、同量の麦麹と豆麹を入れる。

2./1に醤油、水を加える。

3./だし昆布を小さくちぎりながら入れる。

4./素手で粒を潰しながらよく混ぜる(粒は潰さずそのままでもOK)。

5./毎日1~2回混ぜて空気を送り込む。夏季は5〜7日ほど、冬季は2週間ほどで完成。

6./必ず常温保存。1週間以降は2~3日に一度でもOK。

出来上がり!

 

  •                    

\  この記事をSNSでシェアしよう!  /

この記事が気に入ったら
「いいね!」しよう!
小泉武夫 食マガジンの最新情報を毎日お届け

この記事を書いた人

編集部
「丸ごと小泉武夫 食 マガジン」は「食」に特化した情報サイトです。 発酵食を中心とした情報を発信していきます。

あわせて読みたい