なぜ発酵食品は体に良いのか? 発酵と腐敗の違い

カテゴリー:食情報
投稿日:2017.02.13

「発酵」と「腐敗」の違いは?

「発酵」も「腐敗」も同じじゃないかと思っている人は少なくないようです。どちらも微生物の作用で有機物が分解され、新しい物質が生成されるということでは同じ現象といえます。しかし、この現象が人間にとって有益な場合を「発酵」、有害な場合を「腐敗」と区別しています。

そして「発酵食品」と「腐った食べ物」を区別するのが文化で、文化を異にする民族であれば、「発酵」と「腐敗」のカテゴリーも違ってきます。たとえば、16世紀に来日したイエズス会の宣教師ルイス・フロイスはその著書の中で、「われわれにおいては、魚の腐敗した贓物は嫌悪すべきものとされる。日本人はそれを肴(さかな)として用い、非常に喜ぶ」と記述しています。フロイスが面食らったのはイカの塩辛やこのわた(ナマコの腸の塩辛)でしょうか。

塩辛の生産を取材する小泉先生(中)

 

「発酵」で生まれる新たな栄養素

あえて「発酵」と「腐敗」の違いを上げれば、細菌など微生物の種類で線引きすることができます。パンの発酵にはイースト菌、納豆の発酵には枯草菌、ヨーグルトの発酵には乳酸菌が使われます。それに対して、ブドウ球菌やボツリヌス菌などは食品を腐敗させ、食中毒を引き起こすことで知られています。

「発酵」は食品の旨みや味わいを増し、保存性を高めるだけでなく、新たな栄養素を生み出すため、「発酵食品は体に良い」とされています。たとえば、納豆のネバネバはタンパク質分解酵素の「ナットウキナーゼ」で、血栓(血液のかたまり)の原因になるタンパク質(フィブリン)を分解したり、体内で生み出される血栓溶解酵素を活性化して、血栓を予防・融解される効果があります。

味噌は原料の大豆を麹菌や乳酸菌、酵母などの微生物で発酵させてつくりますが、その過程で生成される「メライジン」は優れた抗酸化作用があり、体内で発生する余分な活性酵素を取り除いてくれるのです。また、最近の研究によると、漬物の乳酸菌が花粉症対策や免疫力向上に効果があるという報告もあります。日本は発酵食品を生み出す気候風土に恵まれています。先人から受け継いだ発酵食品を大事にしたいですね。

 

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この記事を書いた人

編集部
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